図書館などの公的な施設を民間企業に運営委託するとコストが削減でき、サービスも向上するといいます。公共施設を民間企業に管理運営を任せる指定管理者制度は魔法の杖なのでしょうか。渡瀬裕哉氏が著書『無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和』(ワニブックス)で解説します。 【関連記事】医療先進国・日本が「ワクチン開発競争」に勝てない納得の理由 図書館のポテンシャルを引き出す民間の力 学問の基本となるのは色々な本を読むことです。個人で何万冊もの蔵書を持つような人もいますが、多くの人は図書館などを利用して調べ物をしたり、あるいは趣味の読書をしたりするのではないでしょうか。 日本に初めて近代的な図書館ができたのは、明治5年(1872)のことです。それ以前にも、蔵書を管理し一般への貸出を行う人はありましたが、明治初期には公共の社会施設としての図書館が福澤諭吉のような知識人によって紹介され
仙台市交通局が2019年度の高速鉄道事業会計当初予算案で、市地下鉄東西線の1日平均輸送人員を8万2000人に設定したことが6日、分かった。開業時の需要予測8万人を超える利用を見込むのは、15年12月の開業以来初めて。市東部の活発な住宅開発などを背景に輸送人員は堅調に伸びており、「大台」をクリアできると予想する。 1日平均輸送人員の見込みと実績の年度別推移は表の通り。 開業初年度は需要予測の8万人を当初予算で見込んだが、実績は遠く及ばず、16年度は5万7000人に下方修正した。17年度は5000人増を見通し、18年度は一気に1万5000人の伸びを見込んだ。 若林区の荒井、六丁の目両駅周辺で住宅開発が進み、人口が急増しているほか、同区の卸町駅近くに昨年、大型商業施設「イオンスタイル仙台卸町」がオープンしており、19年度はさらに強気の予想を立てた。 東西線の輸送人員は年々伸びている。決算ベースで
「報告」(2)に書いたことが、今回の集会の背景である。私の個人的な思いから開かせていただいた。要するに、オープンガバメントという理念を図書館関係者がどれほど意識しまた実践しているのかを確認したいということである。ワークショップという形式を標榜して出席者に質問や意見を書いていただきたいというところが重要であり、それについては実際にさまざまな書き込みが40件以上得られた。これをHPに出したところから、次の過程が始まる。ワークショップという意味では非常に不十分なものに終わったことは率直にお詫びしたい。だが、参加者の多くはこの問題には解決策が用意されているのではなくて、これから皆でつくっていくべき性質のものであることをご理解いただいたのではないかと思う。 豊田さんが「これは行政支援ではありません」というタイトルでした講演がいみじくも示しているように、図書館が実施するサービスは公費で実施するものであ
まだ大学院生および助手だった30年以上前の1980年代の中頃に、私は日本図書館協会の図書館の自由に関する調査委員会の委員を数年務めていた。そこで関西の石塚栄二さん(大阪府立図書館、帝塚山大学)、塩見昇さん(大阪市立図書館、大阪教育大学)たちと知り合う機会があった。当時は「図書館の自由に関する宣言1979年」が出たあとで、解説が出たり「シリーズ図書館の自由」も出ていたので、「図書館の自由」がどういう理念に基づいているのかを勉強した。また、『図書館員の倫理綱領』が出て、単に自由を主張するのでなくて、それを実現するためにひとりひとりの図書館員の社会的責任を明確にしようとする考え方に触れた。日本的な図書館環境のなかで、アメリカ図書館協会と同様に「宣言」と「綱領」を示して社会的な主張をするところに新しい可能性を見たが、同時に、その危うさも感じていた。 当時、『図書館雑誌』(1980年3月号)で 「行
3月25日(日)の午後1時から4時まで慶應大学三田キャンパスで、公開ワークショップ「図書館はオープンガバメントに貢献できるか」を開催した。終了してからすでに4週間近くになるが、新学期になっていろんなことに時間をとられて書けなかった報告をここでしておきたい。公式の報告はホームページで行っているので、ここは個人的な視点からの報告である。 まず年度末の日曜日のお忙しいところ、ご参加いただいた講演者の豊田高広さん、コメンテータの伊藤丈晃さんに感謝申し上げる。研究者的な観点からではまったく成り立たないこのテーマについて、図書館現場、自治体行政現場からの生の声を届けてくれたので、議論はかなり現実に迫るものになった。そのことは後で報告する。 とくに事前登録もなしに開催したので、どのくらいの人が来てくれるのか読めず、いったん確保した70人規模の部屋を倍の人数が入る部屋に変更した。実際の参加者が70人だった
三次市と江津市を結ぶJR三江線(108・1キロ)の全線廃止検討問題で、JR西日本の来島達夫社長は1日、9月1日に全線廃止を表明する方針を明らかにした。早ければ2018年春にもバス路線に転換するとみられる。鉄路存続を求める沿線の住民の声は強く、反発が強まりそうだ。 来島社長は同日、沿線6市町でつくる三江線改良利用促進期成同盟会(会長・景山良材(よしき)島根県美郷町長)から、鉄道存続の要望を受けた。終了後、来島社長は、同盟会が9月1日、島根県美郷町で開く臨時総会で、JR西側が三江線の全線一括廃止を表明するとの見通しを示した。 早ければ年内にも国土交通省に廃止の届け出をするとみられる。鉄道事業法では、廃止の1年前に届け出をする必要があるため、鉄道廃止、JR西が地元に提案するバスへの転換は、18年春になる見通しが強い。 この日、来島社長は、鉄道存続を要望した三次、安芸高田市など沿線自治体の首
福岡県の直方の街を「大きな図書館」に見立てたユニークなイベントが開かれている。直方谷尾美術館と直方市立図書館が連携した展覧会「街は大きな図書館~手触りのある日々」で、市内の4商店街も協力。60店超が店先にお気に入りの本を並べたり、絵はがきをプレゼントしたりして「街ぐるみ図書館」の雰囲気を盛り上げている。 「インターネットで本を読み、買い物もできる時代だからこそ、絵の具や紙の匂い、本の手触りなど直接ものを見て、触れることを大事にしたい」(直方谷尾美術館の中込潤学芸員)と美術館と図書館が初めて共同企画。商店街にも協力を呼び掛けた。 JR直方駅近くの須崎町、明治町、古町、殿町の4商店街が賛同。写真館はアンティークカメラやカメラ関連の本、ギャラリーは美術書、茶舗はお茶に関する本など、各店が関連の深い書籍を展示している。商店街の古い写真や懐かしい昭和家電を並べたり、展覧会のしおりを提示した人に商
「行政がやってくれて当然、は都会の人の我が儘だ!」 増田の「保育園落ちた、日本死ね」の余波がまだ続いているTL、今朝は「行政がやってくれて当然、というのは都会の我が儘だ」という趣旨のツイートが流れてきました。 それを見ての一連の感想がこちら 限界集落に近いところにいる身としてはその感覚は分かる。でも「だからそれは都会の人の我が儘だ!」ではなくて、その主張は田舎の人もしていいし、もっと公共のサービスは受けられるはずなのだよね…— イシゲスズコ (@suminotiger) 2016年3月18日 でも地方にいると「そんなお金は回って来ない、改善したいなら自分たちで動くしか無い」っていう状況は本当にたくさん直面する。改善を要求したとしても「予算が無い」でバッサリやられて終わり。結局、地域の有力者が身銭を切ったり動ける人が動いたりしてなんとか生活してたりする。— イシゲスズコ (@suminoti
「無書店自治体」での社会実験 そもそもの流れを時系列で説明すると、こんな具合だ。 1)北海道の読書環境はかなり悲惨であり、あろうことか悪化が進んでいるので2008年に、図書関係者と教育関係者で読書環境の整備支援組織「北海道ブックシェアリング」を設立。筆者が代表となる(現在は一般社団法人北海道ブックシェアリング、荒井は代表理事)。 2 )設立から3年後に東日本大震災が発生。宮城県教委の要請などもあり、宮城県石巻市に分室をつくり、宮城・岩手両県の図書施設の復旧・復興支援を実施。 3 )2015年秋に東北被災地での最後の事業「岩手県陸前高田市の新図書館に関する住民意識調査」を終え、2016年はいよいよ本腰を入れて北海道の読書環境の整備支援に着手することになった。(以降「~することになった」は「荒井が~すると決めた」と考えていただいて差し支えない) で、北海道で増加している「無書店自治体」について
広島県福山市の景勝地「 鞆 ( とも ) の浦」の埋め立て・架橋事業で、同県は事業に必要な埋め立て免許の申請を近く取り下げる方針を固めた。 これに伴い、事業に反対する住民らは訴訟を終結させる考えで、全国的な景観論争に発展した事業計画が、30年以上の時を経て、正式に断念されることになった。 湯崎英彦・同県知事が4日にも国土交通省を訪れて、取り下げの方針を説明する。 1983年に策定された事業計画では、渋滞解消や防災を目的に、鞆港沿岸の約2ヘクタールを埋め立て、海上に長さ約180メートルのバイパス橋を架けるとしていた。 それに対し、反対住民らは2007年4月、埋め立て免許交付の差し止めを求めて県を提訴。県は08年6月、免許認可を国に申請したが、国が埋め立ての可否を判断しないまま、09年10月、広島地裁が「景観は国民の財産」として住民勝訴の判決を言い渡した。
県民会館として宮城の芸術文化活動を支えてきた東京エレクトロンホール宮城。築50年を過ぎた=仙台市青葉区 ◎仙台音楽堂構想(中)拠点のかたち 仙台の街は、夏から秋にかけて音楽イベントに彩られる。 定禅寺ストリートジャズフェスティバル、仙台クラシックフェスティバル(せんくら)。3年に一度の仙台国際音楽コンクールは、国内外の若手の精鋭が仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演して腕を競う。 「演奏家と聴衆を育てる国際コンクール、市民が楽しむフェス、プロのオーケストラの三つがそろう大都市は東京を除けば仙台だけ。それなのに楽都にふさわしい音楽ホールがない」 せんくらなどの企画運営を手掛けるジェスク音楽文化振興会(東京)事務局長の堤正浩さん(54)は言い切る。 <専用か多機能か> 仙台の音楽環境に合った音楽ホールとして思い描くのは、東京のサントリーホールに代表されるアリーナ形式のクラシック専用ホー
離島の情報環境調査から見えてきたこと‐LRG第10号から 季刊誌『ライブラリー・リソース・ガイド』(以下,LRG)では,第10号で特集「離島の情報環境」を掲載した。この特集では,日本の全有人離島を対象に図書館やそれに類する施設・サービスの有無や内実に関する悉皆調査を実施した。このような調査は日本初のものであり,その調査結果は今後,離島の図書館のあり方を考える上での基本資料となるだろう。 そこで本稿では今回の調査から見えてきた,日本の離島における図書館の実情を紹介したい。まず調査の方法だが,『2012 離島統計年報』(日本離島センター,2012年)に収録されている319島から架橋されていない315の離島をピックアップし,これらの離島を有する自治体を対象にメールを中心に電話や郵送,FAXによって回答を得た。調査の実施期間は2015年1月から2月にかけてである。 概況としては,離島を有する134
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く