記事一覧 原発避難いじめ 動かない学校、守れぬ人権 (2016年11月26日午前7時30分) 【論説】児童生徒が陰湿ないじめに遭っても、教師や学校側はその事実を認めようとせず、教育委員会は不介入を決め込む。教育現場にはびこる保守的な事なかれ主義が子どもたちを窮地に追い込んでいく。そこから浮かび上がるのは、共存能力を失った社会の不幸な現状であり、人権意識の希薄な排他性のまん延である。 東京電力福島第1原発事故の影響は子ども社会にも根深く及んでいる。福島県から横浜市に避難してきた少年が小学、中学といじめを受けていた問題は、単純ないじめを超えたところにある差別、犯罪的行為だ。 教育の基本は「個人の尊厳」であり「自他の敬愛と協力」ではなかったのか。教育現場は少年を救えなかった。駆け込んだのは「フリースクール」である。 現在、中1の男子生徒は小2で自主避難した直後からいじめを受けていた。小6の