避難所への薬の配達や、被災者の健康管理など、山積する課題に薬剤師として何ができるか――。東京都日野市の清水薬局社長で薬剤師の柴崎俊明さん(42)は、東京都薬剤師会の支援チームの一員として、2011年の東日本大震災と、今年1月の能登半島地震で、被災地支援に携わった。被災者に医薬品を届けるため第一線で奔走した薬剤師の目から見て、この13年間で災害対応はどう進歩したのだろうか。 「薬が届かない」 東日本大震災の発生から約1カ月半後、柴崎さんは都薬剤師会の支援チームとして岩手県陸前高田市に入り、被災者の服薬相談に乗るなどした。目にしたのは「医師が処方する薬が被災者にすぐに届かない」という事態だった。 …