政治的または軍事的目的を正当化するために、「事実」をリアルタイムで書き換える「歴史修正主義3.0」の時代に私たちは生きている (C)EPA=時事 過去を操作することで現状を必然的な結果として説明する「歴史修正主義」は、政治・経済・軍事の目的と密接に絡み合いながら浸透する。情報操作が容易かつ大量に実行できてしまう今、「歴史修正主義3.0」と呼ぶべき新しい動きが起きている。 「歴史修正主義」というと、わたしたちは過去についての問題だと考えがちだ。実際には、これらは過去の操作を手段として将来的な利益を引き出すための、未来志向な思想である。過去を書き替えることで現在の評価を替え、これによって未来も変えることが意図されている。 現在、歴史の歪曲は、直近の過去を対象になされるようになっている。出来事の発生とほぼ同時に事実の否認が始まる。具体的には、目下のウクライナ戦争が良い例だろう。現在起きていること