「教育研究の土台を壊す」―多くの大学関係者の反対を押し切って、自公政権が国立大学を法人化してから20年がたちました。懸念は現実のものとなり、「法人化は失敗した」という評価はメディアでも一致しています。失敗を検証し、大学政策を抜本的に転換することは急務です。 法人化は、小泉政権による「大学の構造改革」(2001年)の梃子(てこ)として打ち出されました。「経済再生のため…世界で勝てる大学をつくる」として、大企業などにより短期的に実用化できる研究成果を生み出す大学を重点的に育て、それ以外は切り捨てる「選択と集中」を推進しました。 ■研究の環境を破壊 国立大学は、人件費や光熱費などにあてる運営費交付金が20年間で1631億円(13%)削減され、大学外から調達する競争的資金に依存せざるを得なくなりました。資金獲得の書類作成に忙殺され、教育や研究のための時間は減っています。地方の国立大学は存続さえ危ぶ