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ブックマーク / www.webchikuma.jp (12)

  • 民主主義が機能不全に陥ったとき、私たちは何を考えるべきなのか|ちくま新書|梅澤 佑介|webちくま

    民主主義が機能不全に陥ってしまったとき、私たちはどうすればよいのか。民主主義のみならず、それを抑制・補完する原理としての自由主義、共和主義、社会主義といった重要思想を取り上げ、それぞれの歴史的展開や要点を手際よく紹介した梅澤佑介著『民主主義を疑ってみる――自分で考えるための政治思想講義』。同書より「まえがき」を公開します。 †空前の「民主主義」ブーム? ここ数年、「民主主義」という言葉を冠したが数多く出版されています。その内容は民主主義を擁護するものから批判するものまでヴァラエティに富んでいます。同じ立場に立つものであっても、切り口やアプローチはさまざまです。しかも著者を見ると、狭義の政治学者だけでなく、いわゆる文化人と呼ばれるような人たちも民主主義について一家言があるようです。出版業界ではいま民主主義がブームになっているように見えます。 また、民主主義ブームはの世界にとどまりません。

    民主主義が機能不全に陥ったとき、私たちは何を考えるべきなのか|ちくま新書|梅澤 佑介|webちくま
  • 橋本治というジャンル|ちくま新書|武田 砂鉄|webちくま

    2月刊、橋治『思いつきで世界は進む』に関して、武田砂鉄さんにエッセイをご寄稿していただきました。 突然の訃報により、こののみならず、「橋治」とは何者だったのかについて、論じていただいております。ぜひともご覧ください。 さて、書評を書くために書を読もう、と思ったところで訃報が入った。著作をたくさん読んできた。一度だけお会いしたこともある。ツイッターを開けば、偲ぶ声が連なる。追悼文的な内容のほうがいいのだろうか(と、「こういう時に最適な文章とは何か」を模索する自分に苛立つ)と思いながら書をめくると、しばらくの間、この人がもういなくなってしまった、という現実をすっかり忘れて没頭する。目の前に異物を発見し、その異物がどんな形をしているのかをいくつもの角度から見つめ、どうやったらこの異物を柔らかくほぐせるか、挑発できるか、壊せるか、仲良くなれるかと、しつこく絡んでいく時評コラムに憧れを持ち

    橋本治というジャンル|ちくま新書|武田 砂鉄|webちくま
  • 二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

    二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について 蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第17回を「ちくま」1月号より転載します。昨秋に開催された小津安二郎生誕百二十周年のメモリアル・イベントは、なぜ失望のうちに終わってしまったのか。その二十年前、著者自身も深く関わった生誕百年・没後四十年の記念イベントとの違いを思い起こします。ご覧下さい。 なかには例外的に聡明な個体も混じってはいるが、これからこの文章を書こうとしているわたくし自身もその一員であるところの人類というものは、国籍、性別、年齢の違いにもかかわらず、おしなべて「愚かなもの」であるという経験則を強く意識してからかなりの時間が経っているので、その「愚かさ」にあえて苛立つこともなく晩期高齢者としての生活をおしなべて平穏に過ごしている。ところ

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    wackunnpapa
    wackunnpapa 2024/01/20
    お元気そうで何より。お怒りもごもっとも。
  • 「ガバナンス改革」が、大学の研究・教育機能を破壊した|ちくま新書|田中 圭太郎|webちくま

    教職員に罵声を浴びせて退職強要。寮に住む学生ら45人を提訴。突然の総長解任。パワハラの捏造――。国立大学の法人化や大学関連法の改正を背景に、全国の大学で耳を疑うような事件が頻発している。 疲弊する大学教員や学生の声を取材した『ルポ 大学崩壊』より、「はじめに」を公開する。 全国の大学関係者から「大学が壊れてしまった」と嘆く声が聞こえてくる。 「壊れてしまった」と訴える内容は、大学の根幹である教育と研究、大学の自治、それにコンプライアンスなど多岐にわたる。執行部が独裁的に運営する国立大学や、経営者があからさまに私腹を肥やす私立大学など、学生や教職員がないがしろにされている大学は明らかに増えている。端的に言えば、今、一部の人間による大学の「独裁化」と「私物化」が進んでいるのだ。 「独裁化」と「私物化」の流れに同調するかのように、教職員や学生への弾圧が強まっている大学や、教職員の大量解雇を強行し

    「ガバナンス改革」が、大学の研究・教育機能を破壊した|ちくま新書|田中 圭太郎|webちくま
  • 「読まない人も行く」地域に愛され図書館界№1に!|ちくまプリマー新書|猪谷 千香|webちくま

    人口4万人にも満たない小さなまち、鹿児島県指宿市には2つの図書館があります。以前はどこの地方にもあるようなさびれた図書館でしたが、地元女性たちで結成されたNPO法人「そらまめの会」によって運営されるようになると、みるみる変化していきました。『小さなまちの奇跡の図書館』より文を一部公開します! 図書館界の憧れ、ライブラリー・オブ・ザ・イヤー 2021年11月26日、指宿市立図書館を運営するNPO法人「そらまめの会」の理事4人は、指宿図書館の一室に集まり、パソコンのモニターを固唾を飲んで見守っていた。 モ二一ターに映し出されていたのは、「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー(LoY)」の最終選考会。先進的な図書館活動を行っている機関に対して贈られる賞で、図書館界では毎年、注目を集めるイベントである。中には、この賞をとることを目指す図書館もあるほど、図書館界の憧れでもある。 最終選考会は、LoYの最

    「読まない人も行く」地域に愛され図書館界№1に!|ちくまプリマー新書|猪谷 千香|webちくま
  • ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま

    ちくま新書『ウクライナ戦争』の著者・小泉悠氏が、戦争について、人間について、悪について、子供たちについて、その質を率直に語った貴重なエッセイ。PR誌「ちくま」1月号より緊急転載いたします。 戦争という現象にはいろいろな顔がある。直接の戦争経験を持たず、軍事オタクとして生きてきた筆者が戦争と聞いてまず思い浮かべてきたのは、「戦闘」だった。巨大な軍隊同士が火力や機動力を発揮して敵の殲滅を目指す暴力闘争。これは間違いなく戦争の一つの顔ではある。 しかし、12年前に子供を持ってから、戦争の別の側面を意識するようになった。子供という、この弱くて壊れやすいものを抱えながら生きていくということは、平時の社会においてもなかなかに緊張を強いられるものがある。すぐに熱を出す、とんでもないことで怪我をする、迷子になる。そういう子供との暮らしに、爆弾が降ってくるのが戦争である。あるいは、子供にべさせるものがな

    ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま
  • 石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま

    8月刊行のちくま文庫『石ノ森章太郎コレクション SF編』より、すがやみつる先生の解説を転載いたします。文庫編には、収録しきれなかった〈完全版〉をウェブ限定で公開します。 #001 最初に断っておくが、筆者は高校生のときから石ノ森章太郎のもとに通い、20歳で石森プロに所属、21歳のとき『仮面ライダー』のコミカライズでマンガ家デビューを果たした経歴の持ち主である。『仮面ライダー』を描きはじめた頃は、ネーム、下絵、ペン入れ、完成の各段階で石ノ森の監修を受け、マンガの描き方を手取り足取り教えてもらっていた。石ノ森が筆者のことを「弟子」と称してくれたのはそのためだ。 その後、筆者は独立し、オリジナル作品を描くマンガ家になったが、50歳を過ぎて大学と大学院で学び、研究というものに手を染めることになった。来、文庫の解説というものは、研究者の視点から執筆するのがふさわしいのだが、筆者自身の経歴から、公

    石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま
  • オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第1回を「ちくま」5月号より転載します。東京オリンピックは2020のみならず1964もたいがいロクなものではなかった!? どちらかといえばスポーツが好きな人間なので、オリンピックという何やら禍々しい国家的な行事にはあまり関心が向かない。だからといって、その開催に断乎反対というほどの強い執着を持っているわけでもない。やりたい奴がいるなら勝手にやればよろしいというだけの話である。ただ、少なからず存在しているオリンピックへの無関心層を、「日の丸=君が代」騒動に巻き込むなとだけはいっておきたい。その思いは、例えばサッカーワールドカップについてもいえることで、国を背負って優劣を競いあう競技などと、選手たちがそれを意識した瞬間にスポーツであることをやめてしまう。 例えば、いま終わったばかりのサッカー2022カタール大会の二次予選で日がモンゴルを14対

    オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 秋田魁新報「イージス・アショア」報道編③ 地方紙の「使命」とは何か|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。第1部では、イージス・アショア配備計画を追い続けた秋田魁(さきがけ)新報を3回に渡って取り上げます。 今も息づく「蹈正勿懼」の精神 「蹈正勿懼」。正せいを蹈ふんで懼おそるる勿なかれ、と読む。1874(明治7)年、「遐邇かじ新聞」の名で創刊し、今年で146年。日の日刊紙で屈指の歴史を持つ秋田魁新報が、現在の紙名になった明治20年代から掲げる社是である。 「秋田県知事や県庁に対するわれわれのスタンスも、その言葉に尽きます。斟酌するところは一切ありません」と、泉一志・統合編集部長は断言する。 地方紙というのは地元の行政機関と持ちつ持たれつ

    秋田魁新報「イージス・アショア」報道編③ 地方紙の「使命」とは何か|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま
  • 【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま

    西城秀樹が死んだ。六十三歳だった――というニュースを聞いたら、朝丘雪路が死んだ、星由里子が死んだというニュースも続いて、テレビの『徹子の部屋』は追悼番組が立て続けになった。なんでこんなに人が死ぬんだろうと思ったら、平成三十年の五月は、平成が終わる「最後の一年」に突入した時期だった。今上天皇の退位はあらかじめ決まっていて、なんとなく平成は自動的に終わるもんだと思っていたけれど、人が立て続けに死んで行くニュースに接して、改めて「あ、一つの時代が終わるんだ」と思った。 七年前、東日大震災が起こった二〇一一年にも人が死んだ。有名人が立て続けに死んだというのではなくて、年老いた親の世代が死んで行った。私の父親が死んだ。友人の父親、あるいは母親が死んだ。やたらと葬式の通知、年賀状辞退の通知が届いた。「なんか、今年葬式多くない?」と友達に言ったら、「多いよね」という答が返って来た。 意外と人は「時代の

    【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま
  • 輸入された君主制原理|加藤陽子☓長谷部恭男 記念対談「憲法と歴史の交差点」|webちくま

    山田風太郎の描いた幸徳秋水 長谷部  日は加藤先生にお付き合いいただきまして、当にありがたいです。私と加藤先生はかつて、東京大学で総長補佐という職を同期で務めていました。加藤先生は文学部から、私は法学部からということで。総長補佐というのは、「雑巾がけをしてこい」ということで部に出かけて、雑用をやる。そこで初めて、加藤先生にお目にかかりました。私は今回、自分で選書したコーナーを設けさせていただいたんですが、加藤先生も先月まで「加藤陽子書店」というのをやっておられましたよね。 加藤  昨年10月17日から4月23日まで、約半年営業していたことになります。 長谷部  実は、私もそこを訪れまして(笑)。見て回って、何冊か購入したことがあります。そこで気が付いたんですが、先生は山田風太郎がお好きなんですね。 加藤  はい。どれを最初に読んだのかもう憶えていないくらいです。たぶん全部読んで

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