大阪市の改革により4月から民営化される大阪市音楽団(市音)の約10年ぶりとなるオーディションが2月に行われた。民営化に伴う人件費カットで年収はこれまでの3分の1以下となる200万円弱にもかかわらず、人気の高い楽器パートの競争率はなんと約60倍。情熱のある若き音楽家たちが集まったのだ。楽員の平均年齢48・2歳という市音では「才能ある若手の加入で質の向上を図りたい」と起死回生を狙う。(安田奈緒美)基本給14万円でも「やりたい」 2月の12、13の両日、大阪市中央区の楽団事務所に全国各地から20代の若い演奏家が集まった。 今回、市音が募集したのはクラリネットとフルート、トランペット、チューバの4パート。それぞれのパート1人から若干名の募集人数に対して53人、27人、46人、58人が応募して会場に集まった。チューバの競争率は実に58倍という狭き門だ。 基本給は月14万円(退職金なし)。年収はこれま