野田佳彦首相が主要20カ国・地域(G20)首脳会議の場で消費税増税を国際公約し、「財務省政権」との批判の声がしきりに聞こえてくる。今、財務官僚たちは「政と官」「消費税増税」などについてどんな思いで職務に励んでいるのか。本音を聞いてみた。【江畑佳明】 ◇政治不信--窮迫の国家財政、背負う政治家、あまりに少ない ◇天下り--すねに傷…国民の信頼、完全に失ってしまった ◇消費税増税--自分の子どもが、後に困ることにならぬよう 財務官僚といえば、東大法学部を出た日本一の頭脳を持つエリート……のイメージ。そんな優秀な人材が集まりながら、政府はなぜ借金総額1000兆円を抱えるまでの財政赤字になったのか。 「結局、政治家に『ダメ』とは言えない仕組み。本当に反抗したら、クビが飛んじゃいますよ」 40歳代の財務官僚(男性)は「政と官」の関係をこう表現した。 「お前、俺を落選させるつもりか!」。自民党政権時代