前年の秋に誕生し越冬を終えた女王バチは,4月から6月にかけて,順次出現する.すぐには営巣活動を開始せず,2~4週間かけて樹液やアブラムシの甘露などを舐めて体力を回復した後,営巣場所を求めてあちこち飛び回り,営巣場所が決まると晴天の暖かな日を選んで単独で巣作りを開始する. 最初の働きバチが羽化するまでの約1ヶ月間は,女王バチが狩りや巣材集めなどの外役活動と子育てを行う(単独営巣期).そのためコロニーの存続にとって最も厳しい時期にあたり,女王バチの死亡により廃巣にる割合は極めて高いと考えらている. 働きバチの羽化後は外役活動の回数はしだいに少なくなる(共同営巣期). 6月から7月にかけて働きバチの羽化が本格化すると,女王バチは外役活動を行わず産卵に専念するようになる(分業期).次々に羽化する働きバチは,巣材集めや幼虫の餌集めに忙しく働き,巣は急速に大きくなる. 秋にオスバチと新女王バチの幼虫が