2020年に全球で平均余命が短くなった後、2021年には西ヨーロッパの7か国で完全とは言えないまでも有意な延長が認められた一方、米国、チリ、大半の東ヨーロッパ諸国では平均余命の短縮が続いていることを明らかにした論文が、Nature Human Behaviour に掲載される。29か国の調査から明らかとなったこの相反する傾向は、2021年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック(世界的大流行)による影響が、一部の国で他の国に比べていかに大きかったかを示している。 平均余命は人口全体の健康状態を示す有用な指標であり、国の間で集団健康を比較するために使用されることが多い。2021年の平均余命の変化は、国によって異なる、薬剤によらない介入やワクチン接種の影響を反映している可能性がある。 Jonas Schöleyたちは今回、2015~2021年の29か国の死亡に関するデータを用