リーマンショック後に窮地に陥った世界経済を救った中国経済が深刻な状況に陥っている。しかし、そのきっかけが何かを単純に一つの要因として追い求めることは難しい。歴史上初めて減少に転換した中国の人口問題や、長年にわたり中国経済を率いてきた不動産ビジネスの深刻な不況、トランプ前大統領が始めた中国からの輸入規制や、現政権による国有企業優先政策など多くの要因が重なっている。 「アメリカを抜くのはいつか?」と言われてきた中国経済が、深刻な衰退を見せ始めた過程を見ると、1990年以降、日本がバブル最盛期から少しずつ衰え始めた過程とよく似ていることがわかる。物価指数もコロナ禍前の2019年には5%台だったものが2021年のコロナ禍ではマイナスに、その後2022年から2023年は2%まで回復するが、2024年に入って、コロナ禍最中に起きたマイナス指数に戻っている。まさに、日本で起きたデフレ経済が中国で起き始め