「脱炭素」のウラで「本当に起きていること」 「温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロとし、脱炭素社会を実現する」 菅義偉首相は昨年11月のG20サミットでこう宣言し、世界的な脱炭素の流れに遅れまい、という姿勢を国内外にアピールした。 ところが、このウラで欧州の石油メジャーやロシアが石油やガスの開発をせっせと進めていることをご存知だろうか。 石油メジャーの英BPは昨年2月、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとすると発表した。 それから半年後の8月には再生可能エネルギーへの投資を2030年には50億ドルへと拡大すると宣言。石油メジャーの代表ともいえるBPの脱化石宣言は世界に衝撃を持って受け取られた。 これをきっかけに世界中のエネルギー企業が一気に脱化石化に舵を切るのか。そう受け止めた人も多かったが、実際には一部の石油メジャーの戦略はもっと狡猾だ。