こうした無礼な態度は人の健康にも大きな悪影響を及ぼすことが、最近の科学的研究によって明らかになってきた。 まず、無礼な態度は、人の免疫システムを害することがある。そのせいで循環器系の病気、がん、糖尿病、潰瘍などにかかるおそれがある。 テルアビブ大学のアリー・シロムらは、金融機関や工場、医療機関など、さまざまな職場で働く820人の大人を20年にわたって追跡調査した。 シロム教授らは、被験者となった人たちに、職場の環境は、上司の態度はどうか、同僚は友好的に接してくれるかなど、同じ質問を何度も繰り返し、同時に全員の健康状態の変化を詳しく監視し続けた。 勤務時間の長さ、仕事の負荷、与えられている権限、裁量の大きさなどは、直接、寿命の長さには影響していなかった。重要だったのは、共に働く人たちの態度が協力的、友好的かどうかだった。