静岡市清水区に本社を置く鈴与ホールディングス(HD)は、BtoB(企業間)の物流を手がける「鈴与」を中核に、現在140社に及ぶ企業グループを形成している。鈴与は、創業200年を超す物流業界きっての老舗の一つだ。鈴与HDは、Jリーグの清水エスパルスの運営会社を傘下に置き、選手のユニホームの胸には「SUZUYO」のロゴが入っている。サッカーファンの間ではなじみがあるだろう。
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「行政検査」という仕組み ――ちまたでは、PCR検査をめぐる議論がまだ続いています。専門家会議の副座長で地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏は、5月4日の記者会見で日本のPCR検査件数が少ない理由を挙げました。 確か6つの理由を挙げられたと思いますが、そのうち、最初に挙げたのは、PCR検査が「行政検査」という仕組みで行われているという点です。 ――行政検査とは、どういう仕組みですか。 1998(平成10)年に伝染病予防法を引き継ぐ形でできた感染症法(正式名称は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づく仕組みです。この法律は、感染予防、蔓延防止という目的とともに、患者さんの検査そして医療を行うために作られました。 行政検査は、まず検査をする主体が限定されているのが特徴です。まず保健所で検査をして検体をとって、地方衛生研究所に送って、そこが分析して陽性評価を決める。検査と
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「J1の壁は厚くて、なかなか昇格できないんだよ」と、サッカーに詳しい友人が言う。日本のサッカー界は18クラブで構成される「J1」を頂点として、「J2」、「J3」、そしてアマチュアの「JFL」と続くピラミッド構造となっている。各クラブは「J1」入りを目指して戦うわけだが、優れた監督の招聘(しょうへい)や選手の効果的な育成などで「J2」までは何とか昇格できても、問題はそこから先。一気に「J1」への昇格を果たすクラブがある一方で、わなにかかったように「J2」から抜けられないクラブも多いというのだ。 同様の「わな」が世界経済にもある。「中所得国のわな(中進国のわな)」だ。「中所得国(中進国)」は、「先進国」と「発展途上国」の中間に位置している国で、世界銀行は1人当たりの国民総所得が約1000~1万3000アメリカドル程度の国であると定義している。先進国が「J1」なら中所得国は「J2」、発展途上国は
2009年、コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンに対し、最高裁は、見切り販売の妨害は独占禁止法の優越的地位の濫用にあたるとして排除措置命令を出した。あれから8年。一部のコンビニオーナーは、弁当やおにぎり、サンドウィッチなどの見切り販売を行なうが、全国55,176店舗( 日本フランチャイズチェーン協会、2017年7月度 コンビニエンスストア統計調査月報)のコンビニで、見切り販売を目にすることは少ない。なぜだろうか。今回、東日本で大手コンビニチェーンのオーナーを務めるXさんに取材をおこなった。 競合店が出てきて経営が成り立たなくなる恐れから見切り販売をスタートXさんが見切り販売を始めたのは今年に入ってからだという。開店当初は売上もよかったが、だんだんと近所に競合店が出てきて売上が落ちてきた。開店前のオーナー研修では「最低、廃棄は、(売上の)2%は出さないと」と言われた。一日の売上の「3%
4月20日に、1人当たり一律10万円の給付を盛り込んだ2020年度補正予算案が閣議決定された。 4月7日に一度閣議決定していた予算案を、組み替えて閣議決定をし直すというのは極めて異例なことである。 結局、4月7日の補正予算案で盛り込んでいた4兆0206億円もの生活支援臨時給付金(仮称)をやめて、特別定額給付金を12兆8803億円盛り込んだ。その結果、差し引きで8兆8597億円給付が増えた。それも合わせて補正予算の財源は、25.7兆円の国債増発で賄われた。 その結果、国の一般会計はどうなったか。当初予算とこの補正予算を合わせると、一般会計歳出総額は128.3兆円となった。 時系列で国の一般会計歳出と税収の金額を折れ線グラフを、いわゆる「ワニ口グラフ」と呼ぶ。記事冒頭のグラフがそうである。ワニの上あご(赤線)が歳出総額で、下あご(青線)が税収である(2018年度まで決算ベース、2019年度以降
中国・武漢が発生源とされる新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が止まらない。日本全国で経路不明の感染者が増えている。これを受けて小中高校の一斉休校も始まった。私の家でも、共働きの中、どうやって子どもたちを在宅させるのか相談している。 なによりも心理的な影響が大きい。たった数週間前までは、まだまだ日本中で楽観論が支配的だった。しかし、まったく感染が収まらず、さらにはウイルスの正体も解明されない状況が続き、人々はただただ不安を感じている。 テレビのワイドショーは、連日、ほとんど同じ情報を流している。「飛沫感染と接触感染しかしないと思われている」「しかし、よくわからない」「PCR検査はやるといったが、やって陽性患者が増えても病床が足らない」「不要不急の外出は控えるべきだが、なによりも手洗いとうがいが大事だ」。 こうした流れの中で、自分や家族、知人・友人を守るための行動が優先されている
2月29日(土)東京都内某所のドラッグストアはトイレットペーパーを買い求める長蛇の列ができていた(東洋経済オンライン編集部撮影) 連日、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、地域別の感染者数や感染ルート、政府や専門機関の対応、予防や発見の方法、日常生活や経済的な影響など、さまざまなニュースが飛び交っています。注目すべきニュースが大半を占めているものの、なかには耳を疑うようなものも少なくありません。 「買い占め」「デマの流布」「便乗値上げ」「高額転売」「盗難」「差別」「誹謗中傷」「入場禁止」「強硬開催」など、その一部フレーズを見ただけで、あまりよくない言い方だと百も承知のうえで、「バカ」「愚か者」と言いたくなってしまうニュースが飛び交っているのです。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって個人の本質が問われ、誰しも「バカ」「愚か者」になりかねない危険性をはらんでいるのも、また事実。国難と
小池百合子都知事が会見し、週末の外出自粛を要請した3月25日。当日、筆者が地元の駅に着いたのは夜23時半を回ったころで、モヤシを買おうといつものスーパーに向かったところ、異様な光景に遭遇した。もう深夜だというのに、レジが大混雑しているのだ。それも、皆カートに山盛りに商品を詰め込んで。 スーパーが大混雑しているとは聞いていたが、さすがに日付が変わろうという時間までとは思わなかった。棚という棚は空っぽで、さすがに背筋が寒くなった。翌26日の午前中、さすがにもう収まっただろうと同じスーパーに出かけたところ、店の入り口から奇妙な行列が伸びていた。レジ待ちの列が店内に収まりきらず、なんと店の外まで続いていたのだ。その日はこれと同じ光景が東京都内じゅうで見られたことだろう。 しかし、筆者はそのすさまじい列に並ぶことなく、無事にモヤシを買えた。少し離れたところにある別のスーパーで、だ。その店の状態は、品
気合いを入れて面接に臨んだものの、ほどなくしてお祈りメール――「今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」などと締めることでおなじみの不採用通知が、極めて事務的に届けられる。そんなことが何度も続くと、まるで自分の存在を全否定されたかのような、暗澹たる気持ちを抱く人もいることでしょう。 でも、悲観する必要はまったくありません。なぜなら「面接」という営み自体が、多分に問題をはらんでいるから。多くの日本企業で行われている採用時の面接は、精度も妥当性も低い、穴だらけのシステムだからです。そんなもので、あなたの価値や可能性がまともに測れるわけがありません。 少し整理しながら説明しましょう。まず「面接」と一言で言っても、スタイルは大きく2つに分けられます。「構造化面接」と「フリートーク面接」です。私が本稿でその問題点や対策を述べていくのは、後者のフリートーク面接になります。ちなみに構造化面接とは、入社希
緊急事態宣言に伴う巣ごもりが本格化して1カ月。食料品や医薬品、化粧品など生活必需品の売れ筋は大きく変わった。 市場調査会社のインテージは、消費動向への新型コロナ禍の影響を示すデータとして、2月3日以降、品目別に売上金額の前年同期比の増減率を週単位で公表している。直近は4月27日公表の4月13~19日分だ。 ファミリー層の動向が大きく影響 増加率トップはうがい薬で、対前年比は359.1%。5位の殺菌消毒剤(228.3%)、13位の体温計(183.7%)、19位のマスク(161.2%)なども含め、ドラッグストア店頭ではすでに3月の段階で品薄もしくは品切れで入手が困難になっていたことを考えると、商品がもっと供給されていれば、伸び率はもっと上がっただろう。 ランキング上位に顔をそろえたのは、子どもが家にいることで必要量が激増し、なおかつ店頭で買える品目だ。 お菓子作りに欠かせないバニラエッセンスな
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こうした無礼な態度は人の健康にも大きな悪影響を及ぼすことが、最近の科学的研究によって明らかになってきた。 まず、無礼な態度は、人の免疫システムを害することがある。そのせいで循環器系の病気、がん、糖尿病、潰瘍などにかかるおそれがある。 テルアビブ大学のアリー・シロムらは、金融機関や工場、医療機関など、さまざまな職場で働く820人の大人を20年にわたって追跡調査した。 シロム教授らは、被験者となった人たちに、職場の環境は、上司の態度はどうか、同僚は友好的に接してくれるかなど、同じ質問を何度も繰り返し、同時に全員の健康状態の変化を詳しく監視し続けた。 勤務時間の長さ、仕事の負荷、与えられている権限、裁量の大きさなどは、直接、寿命の長さには影響していなかった。重要だったのは、共に働く人たちの態度が協力的、友好的かどうかだった。
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4月27日に100件を突破した、新型コロナウイルス関連の経営破綻(東京商工リサーチ調べ)。5月1日17時時点では114件まで増えているが、大勢を占めるのは体力に乏しい中小・零細企業である。 数十億円規模の負債を抱えての破綻は主に宿泊施設関連で、かねて経営状態が悪化していたところに、コロナ禍による需要消滅がトドメを刺したというパターンが大半だ。 だが、そんな中で“突然死”してしまった有名ブランドがある。英国の服飾雑貨ブランド「Cath Kidston」製品の販売を手掛ける、キャスキッドソンジャパンだ。 同社は英国キャスキッドソン・リミテッド社の100%子会社で、日本国内で44店舗を展開していた。4月22日に破産手続きの開始を申し立て、同日に破産開始決定を受けたのだが、東京商工リサーチによれば、負債総額は債権者数約400名に対し65億円にも上るという。 4月7日の緊急事態宣言発令を受け、店舗の
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今年(2018年)は、日仏交流160周年、京都市とパリ市の友情盟約締結60周年。そんな年に合わせて、フランス文学の重鎮、鹿島茂氏と、2016年に『京都ぎらい』で「新書大賞」を受賞した井上章一氏による対談が実現した。京都とパリ、2つの都市の類似点が明らかになり、それぞれの都市の独自性、魅力、都市、文化があらためて見えてきた。『京都、パリ この美しくもイケズな街』から一部抜粋して紹介する。 井上章一(以下、井上):京都の近所付き合いは、なかなか大変です。例えば、近所の人から「お子さんのピアノ、お上手やわあ」とか「お子さんお元気で、いつもうらやましい思てます」と言われたりしますよね。そんなとき、「ありがとうございます」とお礼を言ったり、子どもの健康状態がどうであるかを真っ正直に答えたりしてはいけません。やかましさを反語的にとがめられている可能性が、多分にあるからです。「うるさくて申し訳ありません
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