日本を「コメの国」として異論はないだろう。コメは大変優れた作物であり、近代になって品種が改良され、化学肥料が使われる以前は、小麦などに比べて単位面積当たりの収穫量がだんぜん多かった。そんな関係で、コメを作っている国の人口密度は高いのだが、その中でも日本は特に高い。 日本は昔から移植型栽培(田植)を行い、また洪水が起こりやすい地域にも堤を作って水田を広げてきた。そのようなたゆまぬ努力の結果、狭い日本列島に多くの人が住むようになった。 水田では水管理が重要になるが、そのことは気が付かないうちに日本人の気質を作り上げた。 灌漑用水路の管理は1人ではできない。台風などで堤が壊れたときは、村総出で修理しなければならない。日本で生きていくためには、村人との共同作業が欠かせない。村八分(もしくは若者用語の“KY”=空気が読めないやつ)になってはダメ。そんな意識は今も脈々と息づいている。 「改革の時代」が