巨額の公費が動く「ヤクザのビジネス・チャンス」 5月6日の朝日新聞に「除染 群がる暴力団」という見出しの記事があった。福島県内の除染現場に、山形県内の暴力団幹部が派遣業の許可を持たずに作業員7人を派遣していたという事件を報じたものである。 この暴力団幹部A氏は、懲役8ヵ月執行猶予3年の刑を受けた。事件後に暴力団を辞めたことが酌量されて、A氏は実刑を免れたという。 除染にヤクザ。一般常識的には、いかにもありそうな組み合わせだ。朝日新聞の記者も、読者がそうした常識を持っていることを前提として記事を書いているように思われる。 「ヤクザ」という言葉は、近年では一般向けの文章に不適当とされる場合が多いようだが、一般に馴染んだ言葉であり、かつ文脈によっては、集団としての「暴力団」と個別の「暴力団の組員」、あるいは両方の総称を自在に指すことができる。そういう便利な言葉なので、本稿では以下、特段の必要がな