1日に200~300人の人材派遣の依頼を約40人のコーディネーターが、IT(情報技術)以外の方法を駆使してこなしていた。そのフロアの様子を見て思わず笑ったのは野村総合研究所時代の佐藤治夫さん。現在は、人材サービス業界で売上高世界10位のスタッフサービス・ホールディングスの取締役として IT全般の指揮をとる。人材派遣は、後工程の勤怠・保険などの管理業務では差別化が難しく、スタッフサービスは受発注の前工程で「2時間人選」というスピードを強みとする。 同業他社と同様に人材を取り合う人材派遣業界では、同じ人が同様のオーダーを1日何件も受けることは珍しくない。サービス業はコンテンツで差別化が難しいと考える佐藤さんは、スピードで差別化するスタッフサービスを素晴らしいと感じた。1日のうちに何本も買いが入り何本も売りがある現場を見て、証券取引所のようでおもしろいと思った。一番いい値で売りたいという価値もあ