読書の歴史に問う、これからの「教養」──池田嘉郎×辻田真佐憲×松井健人「全体主義と帝国の教養」イベントレポート 2023年12月8日、ゲンロンカフェでロシア史研究者の池田嘉郎、近現代史研究者の辻田真佐憲、そしてドイツ図書館史研究者の松井健人による鼎談が行われた。イベント前半は松井によるナチス時代のドイツについてのプレゼン、後半は池田によるスターリンの読書生活についてのプレゼンからそれぞれ議論が展開する。都度、進行の辻田が同時代の日本の文脈についても確認することで、トークは日・独・ソ三地域を横断する射程のひろいものとなった。とりわけ、それぞれのフィールドを架橋する形で、「教養」という概念とその価値を巡っては三者のあいだで緊張感に満ちた議論が繰り広げられた。5時間に及んだイベントの一部をレポートする。 池田嘉郎×辻田真佐憲×松井健人「全体主義と帝国の教養──ドイツ、ソ連、日本で読書はどう管理さ