日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、社内外の若手幹部候補生30人と議論する「ゴーン・スクール」。日本人が苦手とする、ときに相手を傷つけかねない厳しいアドバイスは、マネジメントに求められる能力だという。「ゴーン先生」が考える、部下を成長させるための人材育成術とは――。 ――階層組織の構成員に関する社会学の法則「ピーターの法則」では、「人間はどこかの段階で能力の壁にぶつかる」とされます。ゴーンさんに限界があるとは思えないのですが。 「限界に達したことを自分で分かる人はいません。だからこそ、第三者的な評価、すなわち人事考課が重要なのです。そして、唯一の真実は、『パフォーマンス』は嘘をつかない、ということです。マネージャーのなかには、『相手を傷つけたくないから』もしくは、『彼女が好きだからよくいおう』という人がいます。真実をいわなかったり、甘いメッセージをいったり。しかし、それは間違っていますよ