『週刊ダイヤモンド』8月13・20日合併号の第1特集は「『実家』の大問題」です。いざ、実家を相続するとなると、とても大変です。思い出が詰まった大量の荷物の片づけからお墓に至るまで、すべきことが山盛りだからです。何より、不動産としての実家をどうするか――。そんな実家にまつわる数々の問題について、処方箋を余すことなくお伝えします。 「見た目は閑静な住宅街でも、実際は空き家ばかりですよ……」 東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘──。かつて「多摩の田園調布」と呼ばれた郊外型の高級住宅地である。都内の地理に明るくなくとも、スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」(1995年)の舞台となった高台の街、と聞けばピンとくる人も多いだろう。 京王電鉄(当時・京王帝都電鉄)が自らのお膝元、「聖蹟桜ヶ丘駅」の南側を開発し、「桜ヶ丘住宅」として、62年から1区画平均100坪で分譲をスタート、計約1300戸を販売した。 「