白川静「文字教育について」http://info.pref.fukui.jp/syougak/kouen/zennbun.htm 福井県立図書館「白川文字学の室」開設記念講演。 最初に萬葉仮名*1から「平仮名」が生成する経緯が語られている。白川先生は萬葉仮名の「百済」起源説を採っておられるよう。 講演の後半部では、戦後の「当用漢字表」「常用漢字表」における特に「訓」の制限に対する批判が語られている。先ず、 要するに、明治の終わり、大正の初めごろに至って、我が国の文章は初めて国民的な文体として、言文一致の文章として完成したといえるのです。それまでに、万葉の時代から数えて千三百年近くもかかっているのです。そうしてできた文体が、戦争に敗れた結果、すべてご破算になりました。こういう漢字を使ってはいけない、こういう言葉を使ってはいけないというふうにして、占領軍によって今の制限漢字が命ぜられたわけです