【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 脱デフレ待ったなし ■インフレ目標設定せよ 鳩山由紀夫政権の経済成長戦略では国際社会から「日本病」と称されているデフレからの脱出に向けた道筋がほとんど見えない。なすべきことはただ一点、歴史的な政策転換である。乾坤一擲(けんこんいってき)、政府・日銀合同で「インフレ目標」を設定するよう提案したい。 なぜ物価以上に俸給が下がり続けるデフレが悪なのか。贈与税5億7500万円もさっと払えるような金満家には、わからないだろう。金融資産あれば太り、なければやせ細る。零細な商店や飲食店は、東京・銀座の路地裏から龍馬が駆け抜けた土佐の山間に至るまで一斉に火が消えていく。若者が高齢者の面倒をみる年金制度は、崩壊寸前だ。日本はデフレの呪縛(じゅばく)から自らを解き放つしかない。 ≪適度な物価上昇で発展≫ インフレが悪というのは迷信である。適度な物価上昇がダイナミックな経済発