逢瀬を禁じられた数百万組のカップルにとって許せないスキャンダルだった。 5月5日、インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授(51)がイギリス政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)を辞任した。SAGEは日本でいえば専門家会議にあたる機関だ。 ファーガソン氏は新型コロナ対策で世界中の都市封鎖を主導する感染症数理モデルのスペシャリスト。英国では「ロックダウン教授」と呼ばれている。 自身も妻と息子がいる ©共同通信社 2001年、650万頭の家畜を殺処分にした口蹄疫問題を皮切りに、ファーガソン氏は数理モデルを駆使し、BSE(狂牛病)、新型インフルエンザなどで、議論をリードしてきた。 「何も手を打たなければ50万人が死亡」 「厳格な都市封鎖をすれば2万人以下に抑えられる」 今回ファーガソン氏は報告書にこう記し、ボリス・ジョンソン首相に都市封鎖への政策転換を迫った。その結果、政府は3