[ブエノスアイレス 13日 ロイター] - 南米アルゼンチンは猛烈なインフレに見舞われている。暮らし向きが苦しくなった市民は、再利用できるものを探してごみの山をあさったり、物々交換会に参加するするなど、日々の生活を続けるのに必死だ。 今年の消費者物価指数(CPI)の年間上昇率は100%を突破し、1990年前後のハイパーインフレ期以来となる高い伸びになる見通し。ロシアのウクライナ侵攻で悪化したインフレを抑え込む取り組みは世界中で繰り広げられているが、アルゼンチンの物価高騰は突出している。
180度逆だ。ついに「日本がひとり勝ちするとき」がやってきたのだ。 当然だ。説明しよう。 世界は何をいま騒いでいるか。インフレである。インフレが大変なことになり、慌てふためいて、欧米を中心に世界中の中央銀行が政策金利を急激に引き上げている。 その結果、株価が暴落している。世中の中央銀行の量的緩和で膨らんだ株式バブルが崩壊している。実体経済は、この金利引き上げで急速に冷え込んでいる。一方、インフレは収まる気配がないから、いちばん嫌なスタグフレーション(経済が停滞する中での物価高)が確実になっている。世界経済は、「長期停滞」局面に入りつつあるのである。 一方、日本はどうか。世間が「ひとり負け」と騒ぐぐらいだから、日本だけが世界と正反対の状況になっている。 まず、世界で唯一と断言できるほど、インフレが起きていない。企業物価は大幅に上昇しているが、それが消費者物価に反映されるまで非常に時間がかかっ
[Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日本からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日本について何本か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日本について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない
先日NHKのニュース番組「おはよう日本」(俺の本のタイトルと同じだ…)を見ていたら、給料が上がらず、将来に希望が持てない、日本の借金は重すぎるから考えなおしてほしいという若者の声が紹介されていました。 これを引き取って首藤奈知子アナ、私の世代も不安です、と続け(ちなみに首藤さんは42歳だそうです)、以上のようなグラフを示して、借金がこんなに増えたんですね、これでは希望が持てませんね、と日本の公的債務の残高について解説し、元大蔵官僚・現大学教授の経済学者が痛みを伴う改革を受け入れよ、と結論づけました。 おおぜいの人が視聴する国営放送のニュース番組で、朝からこのようなグラフを見せられれば不安を感じるのが当然でしょう。日本は多額の借金を抱えていて障害者を支える余裕はない、と考えて津久井やまゆり園で多数の入所者を殺害した植松聖氏、財政が危ないので「死ぬ前1か月の医療費」を削れと提唱した落合陽一氏と
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最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資本主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ
IMFは6月25日の報告書で、日米などの株価は「実体経済と乖離しており割高感がある」と警戒感を示した(写真はニューヨーク証券取引所)Brendan McDermid-REUTERS <日米中心の国債バブルが世界を覆う。この先、米ドルを支えるには日本が先に破綻するしかないのか> コロナは関係ない。 コロナは社会問題だ。 社会が壊れると、経済の弱いところから破綻する。これまで、取り繕ってきたところが崩れるだけのことだ。 では、そもそも世界経済はどうなっていたのか。 日本の1990年代とある種の類似性がある。 1997年からのアジア金融危機で、アジアの高成長の奇跡が崩壊した。 これは、日本で言えば1960年代の高度成長が終わり、その後にオイルショックではなく、いきなりバブルが来て、バブルが崩壊したということだ。 そして、BRICsという言葉も多くの人が忘れているかもしれないが、次にBRICsの高
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が今週にもまとめる予定の緊急経済対策について、与党自民党などからは総額60兆円といった景気のいい話が乱れ飛んでいる。 新型コロナウイルスの感染を抑えるために経済活動が制約を受けたことの影響は大きく、シンクタンクなどでは今期のGDPが前年度比で20%以上落ち込むとの見通しを打ち出しているところも多い。強力な経済支援が必要なことは言うまでもない。 しかし、慶應義塾大学ビジネススクールの准教授で経済学者の小幡績氏は、政府の支援は倒産を防ぐための中小企業支援と、失業などで所得が減った人たちへの支援に集中すべきで、この機に便乗した人気取り目的のバラマキは避けるべきだと語る。 コロナ対策としての自粛要請などによって店が閉まっていたり、移動が制限されるために経済活動が停滞しているのだから、そこにカネをばらまいたところで、コロナ対策にはならないと小幡氏は言う。政治が
3月16日のNYダウ2997ドル安を受けて、17日の日本の経済ニュースも暴落のニュース一色だった。 今回は日銀をはじめ、金融政策、そして財政政策と政策議論が中心だった。株価については諦めムード。「とにかく何でもすがりたい」、ということでは政策頼みだが、新型コロナウイルスそのものはもちろん、ウイルスへの不安もすぐになくすことができるわけではない。だから政策についても「何をやっても直接は・・・」という雰囲気だった。 「株は買い場」の根拠は正しいか? しかし、そうしたニュースの中に株価の水準に触れている解説者もいた。そのうちのひとつを紹介しよう。彼は「(2008年の)リーマンショック後からは常に強気ではあるが、この局面でも『株は買いだ』」、ということを主張していた。 その根拠はどこにあるのか。「今の株価は信じられないほど割安だ。暴落は合理的でない。経済理論的に考えてみよう」、などと言って解説を始
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2019年9月25日、ランサーズ株式会社が主催するイベント「オープンタレントサミット〜令和元年、これから求められる本当の働き方改革とは?〜」が開催されました。働き方改革が施行され、大企業が副業を解禁するなど、これまでの「働き方」が大きく変化するこの時代、企業はどう向き合っていくべきか。このイベントでは、本質的な働き方の変化を進める企業の担当者が登壇し、取り組みや事例をもとに様々なディスカッションが行われました。この記事では、マイクロソフトの澤円氏による基調講演「本当の働き方改革に必要な考え方」の内容をお届け。日本人が持つべきコスト意識の話題を中心に、世界で生き残るためのこれからの働き方について語りました。 外資系出身者が感じる、日本企業へのある違和感 澤円氏:さて、ある人の物語でちょっとお話をしましょう。これは日本企業に転職した元外資系のマネージャーです。すごく優秀なやつだったんですけど、
イギリスBBCが実施し、イギリスで過去最大規模となった階級調査がある。16万人が参加し、大きな議論を呼んだこの調査をもとにBBCが公開したウェブ上の「階級算出装置」には、イギリス成人の5人に1人に当たる700万人がアクセスしたという。 調査が公表された後、劇場チケットの売上が突然激増するなど、イギリス人の行動を劇的に変えた話題の調査結果が、『7つの階級:英国階級調査報告』というタイトルの書籍として翻訳出版される。その本の一部を、抜粋・編集してお届けする。 社会階級の新しい7つのモデル 私たちは英国階級調査と、それを補完する調査にもとづき、21世紀の新しい社会階級を提示した。その最初の分析はメディアに広く取り上げられ、学問の世界でも大きな議論を呼んだ。
今後の国会質疑で「誤解」は氷解するのでしょうか(写真:clear_eye / PIXTA) イギリスでは最近、MMT(現代貨幣理論)の「教科書」までもが発売され、大部の専門書であるにもかかわらず、すぐに売り切れたという。アメリカでは、MMTは次期大統領選の趨勢を左右する要因の1つと目されている。日本でも、来日したMMT派の学者、ステファニー・ケルトンの講演は大盛況だった。 今年に入り一気にブレイクした感のあるMMTだが、先日、中心的な著作の日本語訳『MMT現代貨幣理論入門』(L・ランダル・レイ著)が刊行された。最新のエディションに準拠し、ここ数年の事象がアップデートされ、例えばビットコインについての言及もある。 今後も注目され続けるであろうMMTだが、いまだ誤解も多いのも事実だ。そこで、最新文献を参照しつつ、MMTの特徴とよくある誤解、論点を示しつつ、取り巻く状況について解説する。 MMT
ポピュリズムだからだ。 もう少し詳しく言えば、現在のコストをすべて先送りにして、今支持を集めようとする政策という共通点があるからだ。 これはアベノミクスの特徴で、今できるだけ楽をして、コストはすべて先送り、という政策だ。 だから、アベノミクス支持者はリフレ派で、消費税反対で、MMT理論なのだ。 リフレ派とは、とにかく闇雲に金融緩和をするというのが要点で、実際に物価が上がるかどうかは実はどうでもいい。少なくともリフレ政策と称してやっていることは中央銀行が国債と株式を買い捲るということに過ぎない。しかも、インフレは起きていないし、起きていなくてもアベノミクスは成功ということになっているから、インフレが起きるかどうかはどうでもよいのだ。ポイントは、税負担をせずに国債を大量に発行し、それを中央銀行が買い上げることで、超低金利により資産バブルを作ることにより、景気もよくするという政策だ。バブルが崩壊
経済が鈍化した時、政府が財政赤字を気にすることなくジャンジャン国債を増発して公共投資を増やすことで景気をテコ入れできれば、どんなにいいだろう。そして、その借金返済のためには、ジャブジャブ通貨を発行して返済に充てればいいなんて話があれば、政治家でなくても大喜びで飛びつくはずだ。 もちろん、そんなことをすれば、たちまち通貨の価値は暴落し、インフレが頭をもたげ、市民生活が破壊されるのは必至だ。少なくとも経済学の世界でそれは常識だった。だからこそ、これまでそのような政策は御法度とされ、国家の体を成していない破綻国家や独裁国家以外は、そのような政策は採用されてこなかった。 しかし、今、自国の通貨建ての国債を発行できる国はデフォルトに陥ることを気にせず積極的に国債を発行して景気刺激策を進め、借金の返済は通貨の発行で賄えばいいんだという「経済理論」が、世界中で注目されている。 それがMMT(modern
************* 2019年3月28日に書籍『日本の「老後」の正体』(幻冬舎新書)を発売しました。以下に、本書の一部を公開します。(嘉悦大学教授・高橋洋一) ************* 国の借金1000兆円? 高校生 今までの話で「なぜ日本経済がこんなに低迷していたのか?」はよく分かったのですが、でも、まだ日本経済には大きな問題があると思っていて……。 先生 うん。心配しているのは何? 高校生 日本にはすごい借金があるっていう話は、本当ですか? 先生 日本の「借金1000兆円」問題のことだね。 高校生 1000兆円って、まったく想像つかないです。大変なことですよね……? 先生 テレビや新聞では「日本の財政は危機的状況である」と伝えられているね。1092兆円から換算すると、863万円の借金が国民一人ひとりの肩に乗っている状態だとも言われてるからね。 高校生 国民一人863万!? ど
_ WTF経済がすさまじく刺激的だ オライリーの高さんからもらったオライリーのオライリーが書いたWTF経済を読んでいるのだがすさまじくおもしろい。 現在550ページ(ちゃんと参考文献と索引が出ているので、本文は490ページくらい)のうち1/5くらい読んだところだが、一度メモ。 毀誉褒貶があるウーバー(とリフト)を取り上げているところで、目からうろこだった点がある。 ラッダイト運動とも関係するわけだが、おれ自身にそういう視点がそれほどなかった、あるいは気にしていなかったことだ。 何か産業に対して革新的なことが起きたりビジネスモデルがやってくると、それまでの産業あるいはその産業に従事している人間にとってネガティブインパクトが起きる。 通常、経営側にとっては一時的には導入コストがかかるが、期待通りの効能があるのであれば必然的にゲインの増大となるが労働側にとっては端的には失業だったり職業そのものの
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