賛否両論を巻き起こした、カタルーニャ州の独立問題 「ポスト真実(post-truth)」──。英オックスフォード英語辞書が2016年を表す言葉として選んだこの単語は、「真実かどうかは問題ではない。自分が信じたいものを信じる」という意味。 トランプ米大統領に代表されるように、多くの現代の政治家は、客観的事実に即した情報や結論よりも、個人の感情や、信条、欲望への強い訴えかけの方が影響力を持つことを知って利用している。現代はまさにポスト真実の時代に突入した。 さて、10月1日に、スペイン北東部カタルーニャ地方の独立の賛否を問う住民投票が行われた。住民投票をめぐっては世界的に賛否両論を巻き起こした。我々に分かったことは──国際的にも注目されたこの出来事は、私たちに「ポスト真実」と呼ばれる未知の時代について、リアルタイムで深く考える機会を与えてくれたということだ。 カタルーニャ州政府は最初の段階から