今月20日、円相場は1ドル=150円台まで値下がりし、32年ぶりの円安水準を更新しました。去年の年末にエコノミストなどが予想したことしの円相場は、1ドル=118円から122円程度。専門家の間でもここまで急速に円安が進むと想定していた人はほとんどいませんでした。今回のコラムでは、想定外の円安がなぜ起きたのか、円安の原因を改めて振り返ります。市場関係者15人に取材してみるとさまざまな想定外が見えてきました。(経済部記者 仲沢啓) 想定外1:アメリカのインフレ=15人 ロシアによるウクライナへの侵攻を除くと1番の想定外は、アメリカの記録的なインフレだった。 市場関係者は口をそろえてこう語ります。 FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長本人も例外ではありません。 去年8月に開催されたジャクソンホール会議で「インフレは一時的だ」と説明していましたが、これが誤りだったのは皆さんご承知のとおりです。
日用雑貨などを販売する「東急ハンズ」は買収による親会社の交代で26日から店舗の名称が「ハンズ」に改められました。 名称の変更に合わせて、46年にわたって使ってきた手の形のロゴマークも変更し、漢字の「手」を一筆書きしたデザインに一新しました。 店舗の看板や、紙袋などの包装資材は、再来年3月までに順次、切り替えていくということです。 東急ハンズは、ネット通販との激しい競争や新型コロナの影響などで業績が低迷し、ことし3月、ホームセンターを運営するカインズが親会社の東急不動産ホールディングスからすべての株式を取得して子会社化しました。 ハンズの会長に就任したカインズの高家正行社長は26日、都内で開かれた記者会見で「店舗の従業員の深い知識や接客という強みにデジタル技術を掛け合わせ、世の中の半歩先で流行の兆しがみつかるような価値を実現していきたい」と述べました。
日銀の黒田総裁は、都内で開かれた全国信用組合大会であいさつし、今の物価上昇は一時的だという認識を改めて示したうえで、賃金の上昇を伴った物価の安定的な上昇に向けて、大規模な金融緩和を続ける姿勢を示しました。 この中で黒田総裁は、21日公表された先月の消費者物価指数が生鮮食品を除き、3%の上昇になったことに触れたうえで「先行きは年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ効果が減ることで、プラス幅を縮小していくと予想している」と述べ、今の物価上昇は一時的だという認識を改めて示しました。 また、日本経済の先行きについて、新型コロナの感染動向やウクライナ情勢、それに資源価格や海外の経済・物価動向など、不確実性が極めて高いと指摘し「金融・為替市場の動向やその経済・物価への影響を十分注視する必要がある」と述べました。 そのうえで、黒田総裁は「経済をし
外国為替市場で、急速に円安が進んでいます。19日の東京外国為替市場で、円相場は1ドル=149円台半ばまで値下がりし、1990年以来、およそ32年ぶりの円安水準となりました。この歴史的な円安、「悪い円安」とも指摘されています。円安が「悪い」とはどういうことなんでしょう? およそ32年ぶりとなる1ドル=150円が目前の状況です。ことし1月の時点では、115円台でしたから、ことしに入って、ドルに対して、35円近くも値下がりしたことになります。 これは、年初と比べた値下がりとしては、1985年に日米欧の主要5か国がドル高の是正で政策協調した「プラザ合意」以降で最大で、まさに歴史的な円安です。 先月22日に政府・日銀が市場介入に踏み切ったあと、一時、1ドル=140円台前半をつけましたが、そこからおよそ9円、円安が進んでいて、歯止めがかからない状況になっています。 円安には、メリットとデメリットがあり
財務省が発表した、ことし4月から9月までの今年度上半期の貿易統計は、原油などエネルギー価格の上昇や円安の影響で輸入額が膨らんだことから、過去最大の貿易赤字となりました。 今年度上半期の貿易統計では、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が11兆75億円の赤字となりました。 赤字額は去年の同じ時期よりも10兆円余り増えて、比較が可能な1979年以降で、年度の半期としては過去最大となりました。 輸入額が60兆5838億円と去年の同じ時期と比べて44.5%増え、過去最大となったことが主な要因です。 原油や液化天然ガスなどエネルギー価格の高騰に加えて、税関が公表しているこの期間の為替レートで円がドルに対して去年より20%余り下落するなど円安が加速していることも輸入額の増加につながりました。 一方、輸出額は49兆5763億円でした。 自動車や鉄鋼半導体電子部品などが伸びて輸出額は去年の同じ時期よりも19.
大阪の高校でバスケットボール部のキャプテンが体罰を受け自殺に追い込まれた事件。 あれから10年になろうとしています。 この間、スポーツ界は体罰根絶に向けた取り組みを進めてきました。しかし、今も子どもたちのスポーツ指導の現場では、暴言や暴力がはびこっています。 競技団体が「衝撃的」と目を疑った調査結果。 体罰を容認するような保護者の存在も浮かび上がりました。 (大阪放送局 記者 中本史 鈴椋子) 「日々罵声・ものを投げる・無視・暴言」 「時々死ねとも言われることもある」 「蹴る、つき押す、暴言」 「吐いても走るのをやめさせてくれない。夏は水分も取らせてくれなかった」 昔の話ではありません。 今も小学生のバスケットボールチームの一部で繰り返されている指導者の言動。 日本バスケットボール協会に保護者から寄せられた声です。 今から10年前。大阪市立桜宮高校のバスケットボール部でキャプテンだった男子
ことしのノーベル経済学賞に輝いたのはアメリカのFRB=連邦準備制度理事会の議長を務めたベン・バーナンキ氏など3人の経済学者でした。バーナンキ氏は2008年のリーマンショックのときのFRB議長。金融政策の実務を取り仕切ったFRB議長経験者への授与は極めて異例です。バーナンキ氏をめぐってはその卓越した金融政策のかじ取りと、副作用とも呼ぶべき、積み残した課題もあります。元議長の光と陰に迫ります。(ワシントン支局記者 小田島拓也 アメリカ総局記者 江崎大輔) 「バーナンキ氏とiPS細胞の生みの親、山中伸弥さんが重なって見える」 こう語るのは長年FRBの金融政策を見続け、アメリカにも駐在経験がある元三菱UFJ銀行のエコノミスト、鈴木敏之氏です。 バーナンキ氏は、「金融システムが壊れると経済全体が深刻な危機に陥る」という考え方を経済理論にまとめ、その理論をもとに危機対応にあたりました。 そして、大胆な
電気料金の負担を和らげる新たな支援制度について、岸田総理大臣と公明党の山口代表は、急激な値上げが予想される来年春を待たずに、1月以降、できるだけ早く導入することを目指す方針を確認しました。 岸田総理大臣と山口代表は14日夜、総理大臣官邸で会談し、今月まとめる新たな総合経済対策の柱となる、電気料金の負担を和らげる新たな支援制度の方向性を確認しました。 それによりますと、支援制度については電力小売事業者を通じて毎月の請求書に直接反映するような形で、前例のない思い切った対策を講じるとしています。 また、各家庭に対する支援は「来年度の初めにも想定される、値上げによる平均的な負担の増加に対応する額」とし、企業より手厚くするとしています。 そのうえで、開始する時期について、急激な値上げが予想される来年春を待たずに、1月以降の可及的速やかなタイミングでの開始を目指すとしています。 さらに、ガス料金につい
日本が海外との貿易や投資などでどれだけ稼いだかを示すことし8月の経常収支は、589億円の黒字で2か月連続の黒字となりました。ただ黒字額は、去年の同じ月に比べて1兆4416億円、率にして96%減少し、8月としては、比較が可能な1985年以降で最も小さくなりました。 主な要因は輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」の赤字です。 原油などの価格上昇で輸入額が去年の同じ月より50%以上増えたことで、貿易収支は2兆4906億円の赤字となりました。 赤字額は去年の同じ月と比べて2兆1000億円余り増えました。 一方、海外の子会社から受け取った配当や利子などの稼ぎを示す「第一次所得収支」は3兆3271億円の黒字となりました。 円安の影響で海外から受け取る配当の円換算の額が増えたことなどが影響しました。 黒字額は1兆円余り増えて1か月の黒字額として過去最大となりましたが、それでも貿易収支の赤字の拡大を補うこ
いよいよ10月、食欲の秋。 でも、私たちに身近なあんなものやこんなものも値上げが予定。 民間の信用調査会社の調べでは、値上げはなんと6500品目以上にのぼります。 猛暑が終わったと思ったのに、今度は懐が寒くなりそうです。 どんなものが値上がりするの? 民間の信用調査会社、帝国データバンクが国内の主な食品や飲料のメーカー、105社を対象に8月末時点での値上げの動きについて調査したところ、10月の値上げは6532品目にのぼることがわかったということです。 値上げ率は平均でおよそ16%。 値上げされる主な品目は、 ▼ビールや炭酸飲料などの酒類や飲料が最も多く2835品目 ▼水産関係の缶詰やハム、ソーセージなどの加工食品が1819品目 ▼マヨネーズやドレッシングなどの調味料が1800品目 ▼チーズなどの乳製品が48品目 ▼キャンディやせんべいなどの菓子は22品目 調査を実施した帝国データバンクによ
日銀の黒田総裁は26日、大阪で開かれた関西の経済団体の懇談会のあと記者会見し、今月22日に政府・日銀が実施した市場介入について、「適切なものだ」と述べるとともに、急速な円安に歯止めをかけるうえで、一定の効果があったという認識を示しました。 この中で黒田総裁は、政府・日銀が実施した市場介入について、「財務大臣の判断で、過度な変動に対する必要な対応としてされたものと理解していて、適切なものだ」と述べました。 そのうえで、市場介入の直後に円相場が1ドル=145円台後半から、140円台まで値上がりし、その後も143円台から144円台で推移していることを踏まえ、「効果がないということはない」と述べ、急速な円安に歯止めをかけるうえで、一定の効果があったという認識を示しました。 また、黒田総裁は、円安を食い止める市場介入と、円安が進む要因として指摘されている金融緩和の整合性について問われたのに対し、「為
急速に進んだ円安を受けて、政府・日銀は22日、24年ぶりにドル売り円買いの市場介入に踏み切りました。 当局は、一方的な円安に歯止めをかけるため、さらなる介入も辞さない構えですが、海外からはこの市場介入、どのように見られているのでしょうか。 エコノミストや専門家に話を聞きました。 (ワシントン支局 記者 小田島拓也/アメリカ総局 記者 江崎大輔/ロンドン支局 記者 松崎浩子) 9月22日の東京外国為替市場では、一時、1ドル=145円90銭まで円安が進み、政府・日銀は、1998年6月以来、24年3か月ぶりにドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。 介入の効果もあって円相場はその日の夕方、一時、1ドル=140円31銭まで、5円以上、円高方向に動きました。 その後、23日のニューヨーク外国為替市場では1ドル=143円台前半で取り引きを終えています。 今回の介入は日本の単独介入だったことが分か
連休明けの26日の東京外国為替市場、政府・日銀による24年ぶりのドル売り円買いの市場介入で先週22日には一時1ドル=140円台前半まで円高が進みましたが、26日の円相場は、143円台後半から144円台を中心に取り引きされました。 午後5時時点の円相場は、先週22日と比べて、1円95銭、円高ドル安の1ドル=143円82銭から84銭でした。 ユーロに対しては、先週22日と比べて4円31銭、円高ユーロ安の1ユーロ=139円19銭から23銭でした。 ユーロはドルに対して、1ユーロ=0.9677から80ドルでした。 イギリス政府が23日に大型減税を柱とする経済対策を発表したことから財政悪化の懸念が広がって通貨ポンドが大幅に下落した流れを受け、ユーロを売る動きが広がりました。 市場関係者は「アメリカの長期金利が時間外取引で上昇したため、日米の金利差の拡大を意識して円を売ってドルを買う動きも出たが、1ド
政府・日銀は、外国為替市場で1ドル=145円台後半まで円安が進んだことを受けて、急速な円安に歯止めをかけるため、22日夕方、ドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。 政府・日銀によるドル売り円買いの市場介入は、日本の金融危機のさなかに円安が進んだ1998年6月以来、24年3か月ぶりとなります。 外国為替市場では、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が、大幅な利上げを決めた一方、日銀が22日まで開いた金融政策決定会合でこれまでの大規模な金融緩和を継続することを決めたことで、日米の金利差の拡大が一段と意識され、円相場は一時、1ドル=145円台後半まで円安が進みました。 これを受けて、政府・日銀は22日夕方、円安に歯止めをかけるため、ドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。 介入の直後、円相場は一時、1ドル=140台前半まで、5円以上円高方向に動きました。 記者会見し
日銀は22日まで開いた金融政策を決める会合で、景気を下支えするため、今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。一方、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は日本時間の22日未明に大幅な利上げを決めたと発表し、円安が進む中、日米の政策の違いが一段と際立つことになります。 日銀は22日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、短期金利をマイナスにし、長期金利がゼロ%程度に抑えるよう国債を買い入れる、今の大規模な金融緩和策を維持することを、全員一致で決めました。 円安による輸入コストの増加もあって先月・8月の消費者物価指数は、変動が大きい生鮮食品を除き去年の同じ月より2.8%上昇し、日銀が目標として掲げる2%の物価上昇率をすでに上回っています。 ただ、日銀が目指している賃金の上昇を伴った安定的な物価上昇が、まだ実現できていないことに加え、新型コロナウイルスによる落ち込みから回復しつつある、
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は21日まで開いた会合で、0.75%の大幅な利上げを決めました。3回連続で0.75%という異例の利上げに踏み切り、記録的なインフレを抑え込む姿勢を一段と鮮明にしました。 FRBは21日までの2日間、金融政策を決める会合を開きました。 新型コロナやロシアによるウクライナ侵攻などの影響で高いインフレが続いているうえに消費者がインフレが続くと信じ込んでしまうことを避ける必要があるとして政策金利を0.75%引き上げることを決めました。 1回の利上げとしては通常の3倍の上げ幅で、FRBはことし6月と7月に0.75%の利上げを決定しており、今回で3回連続となります。 政策金利は3%から3.25%の幅となり、2008年1月以来、およそ14年半ぶりに政策金利が3%を超えます。 ただ、急速な利上げなど金融の引き締めが住宅市場や個人消費などに影響を与え始めて
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く