低遅延、高速大容量など5Gの真価を発揮するとして期待されているMEC。各社が研究開発を進めるが、実際、今どのような段階にあるのか、ユースケースや今後の展開はどうなるのか。通信事業者4社に聞いた。 「これまで全国で約300件の5G協創案件に取り組んできたが、そのうちの約半数はMECを活用できる『ドコモオープンイノベーションクラウド』を使った案件だ」 NTTドコモ(以下ドコモ)の岩本健嗣氏は、MECへ寄せられる期待の高さについてこう話す。4Kなどのリアルタイム高精細映像伝送、XRによる遠隔作業支援・体験、そしてAI活用などが、主に公共、製造、医療、交通の分野でユースケース実証含め活用されているという。 MEC(Multi-access Edge Computing)は、コンピューティングリソースをクラウドとは別に、より端末に近い場所に置くアーキテクチャー。従来の構成と比べて通信距離が物理的に短