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ブックマーク / saebou.hatenablog.com (7)

  • オカルト、ぺてん、力~『ナイトメア・アリー』(ネタバレ) - Commentarius Saevus

    ギレルモ・デル・トロ監督の新作『ナイトメア・アリー』を見てきた。 www.youtube.com 1939年、相当なわけありらしいスタン(ブラッドリー・クーパー)が、さまざまなあやしげな見せ物が売りの移動遊園地(カーニバル)に流れ着くところから始まる。いろいろな見せ物の手伝いなどで重宝されるようになり、千里眼ショーをやっているジーナ(トニ・コレット)とピート(デヴィッド・ストラザーン)に気に入られて読心術を身につけるようになる一方、電流ショーをやっているモリー(ルーニー・マーラ)と恋をし、一緒に出ていくことにする。2年後、スタンとモリーは街で読心術ショーで人気を博すようになっていたが、精神科医のリリス・リッター博士(ケイト・ブランシェット)にトリックを見破られそうになり、スタンはジーナやピートからやるなと言われていた霊媒のふりを始めるようになる。 前後編に分けてスタンの人生を追うというもの

    オカルト、ぺてん、力~『ナイトメア・アリー』(ネタバレ) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2022/03/30
    "本作ではオカルトと詐術、男性中心的な権力の結びつきがかなり明確に描かれており、(中略)非常にタイムリーなテーマを扱っていると言える。"
  • 子供の世界と性愛の拒絶~『AKIRA』4Kリマスター版(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    大友克洋監督『AKIRA』の4Kリマスター版をIMAXで見てきた。今回初めてこの映画を見た。漫画のほうは全く読んだことがない。 www.youtube.com 舞台は第三次世界大戦から31年後、2019年のネオ東京である。オリンピックを控えているのにしょっちゅう抗議運動が起こっているという不穏な政情ではあるが、一応戦争による破壊からは街は再生している。そんな中、暴走族をしている少年である鉄雄がひょんなことから超能力を持つタカシと接触し、自らも超能力に目覚めてしまう。鉄男を助けようとする金田はいろいろあって反政府活動をしている若い女性ケイと組むことになる。 けっこう複雑な話なのだが、テーマとビジュアルがぴったりあうよう大変よく考えられている。この作品の大きなテーマのひとつとして子供の自我の肥大というのがある。超能力に目覚めた鉄男が暴れ始める原因が小さい頃から自分を助けてくれていた金田への漠然

    子供の世界と性愛の拒絶~『AKIRA』4Kリマスター版(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
  • これを書いている本人は明日起きたらシスになってるかもしれない~『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(大ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を見た。これからものすごくネタバレするのと、私は気で怒っているので、注意してほしい(読まないほうがいいかもしれない)。このレビューは批評家としてではなく、ファンとして書いているものである。あと、ふだんは簡単にあらすじを書くところから始めるのだが、今回は公開直後なのであらすじは書かないで始めることにする。 www.youtube.com 私は高校生の時から『スター・ウォーズ』が大好きで、わりと寛大なファンのつもりである。賛否両論の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』もかなり支持している。なぜならちゃんと新しいことをやろうとしていたからだ。昔のやり方にすがっているだけでは、作品は生き延びることはできない。 しかしながら『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、とにかく許せない。芝居とか映画を見てこれだけ怒りがわいてきたのは紀里谷和明演出の

    これを書いている本人は明日起きたらシスになってるかもしれない~『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(大ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2019/12/23
    ストームパイロットなる言葉を知る。自分もその気がありそう。あのシーンのポーはヤキモチ焼いてるようにしか見えなかった
  • 受動的な創られたヴィラン~『ジョーカー』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『ジョーカー』を見てきた。『バットマン』の悪役であるジョーカーがどうやってジョーカーになったのかを描いた作品…というのは建前で、ほとんど別の映画である。 wwws.warnerbros.co.jp ゴッサムシティに住むアーサー(ホアキン・フェニックス)はピエロの仕事をしながら母ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしている。アーサーは突然笑い出してしまうおそらくトゥレット症と思われる症状を抱え、精神的にも不安定でカウンセリングと投薬を受けているが、それでも憧れの仕事であるスタンダップコメディアンを目指して頑張っていた。しかしながらゴッサムシティが荒廃するとともにアーサーの人生はどんどん下り坂になる。ピエロの仕事の最中に悪ガキどもに襲われ、仕事はクビになるし、市当局が福祉を打ち切ったせいでカウンセリングも投薬も受けられなくなる。度重なる不幸のため限界になったアーサーをどんどん狂気が蝕んでいく

    受動的な創られたヴィラン~『ジョーカー』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2019/10/10
    確かに穴はあるけどそれはこの映画全体ジョーカーが世界を惑わすためにでっち上げたジョークだから。騙されてはいけないってコウモリのコスプレした男が言ってたよ
  • 理想宮か、公共彫刻か?〜『アナと雪の女王』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『アナと雪の女王』を見てきた。私、ディズニーが大っきらいなので金を払って見に行きたくなかったのだが、あまりの評判の良さに敵の軍門に降ってしまった… 好き嫌いはともかくとして、見た後最初の感想は、「これは女子のスター・ウォーズになる」ってことである。今まで「女子のスター・ウォーズ」と呼ばれている作品は『ダーティ・ダンシング』であった。男の子がジェダイに夢中になっている間、女の子は『ダーティ・ダンシング』の台詞を引用しているのだそうだ(私はジェダイ派)。しかしながら『アナと雪の女王』は一言で言うと「暗黒面に堕ちなかったアナキン」の話である。アナキンのフォースもエルサの魔力も非接触型ハンドパワーであるし(←ごめん、もっと気の利いた言い方を思いつけばいいんだけど)、どちらも怖れによって暗黒面に堕ちかけるのだが、怖れを克服できなかったアナキンに対してエルサは愛の力により勝利する。とにかくよくできた映

    理想宮か、公共彫刻か?〜『アナと雪の女王』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2019/01/03
    "しかしながらこの話がそこまですっごく自由な話ではないと思うのは、エルサの魔力が結局、社会に還元させないと価値が無い、みたいな方向に着地するからである。"
  • どうして『アナと雪の女王』のクリストフには財産がないのか〜女相続人の文芸史(注意:山ほどネタバレあり) - Commentarius Saevus

    数日前からツイッターでこんなのが話題になっている。 夏野剛×黒瀬陽平×東浩紀「男たちが語る『アナと雪の女王』——なぜクリストフは業者扱いなのか」 タイトルが明らかに釣りで、さらに登壇者がこの通りなのでずいぶんと批判が多いのだが、まあこの面子だと過去の文学的・映画的伝統をディズニーがどうふまえてるかとかは全然出てこないかもしれないと思うので(他はよくわからないがとくに三番目の論者は歴史に全然興味がないだろう)、とりあえず「クリストフに財産・身分がない」ことの背景にはどういう文芸の伝統があるのかっていう話を、「女相続人もの」の歴史を使ってちょっと分析していきたい。この「女相続人もの」というのは日の文芸だとそんなにメジャーな伝統ではないように思うのですんなり理解しにくいところがあると思うのだが、これを知っていたほうがたぶん『アナと雪の女王』のみならずいろんなアメリカのロマンティック・コメディ映

    どうして『アナと雪の女王』のクリストフには財産がないのか〜女相続人の文芸史(注意:山ほどネタバレあり) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2019/01/03
    アナ雪のクリストフはディズニープリンセスものにありがち(と思われがち)な王子様じゃないってだけで創作の歴史の中ではよくある立ち位置のキャラだって話
  • ケアと癒やしの壮絶ノンストップアクション〜『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見た。なお、オリジナルのシリーズは一切未見である。 物語は文明が破壊された砂漠が舞台である。ヒロインのフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は独裁者でカルトの指導者であるイモータン・ジョーに軍人として仕えてそこそこ出世していたが、これまでの贖罪のため、イモータン・ジョーのもとで性奴隷として子どもを生まされている5人の女性たちを助けて逃走することにする。それをこれまたイモータン・ジョーの手先につかまっていたマックス(トム・ハーディ)が成り行きのせいで助けることになる。一行は追っ手を振り切ってフュリオサの一族であった女たちが住むところまで逃げ、新天地を目指そうと考える…ものの、マックスの説得でこれ以上放浪するよりはイモータン・ジョーを倒して砦に安全に生きられる環境を作ることを目指すほうが良い賭けだと考え、最後の戦いにのぞむ。主人公が行って帰ってくるだけという

    ケアと癒やしの壮絶ノンストップアクション〜『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    s_atom11
    s_atom11 2015/06/28
    話はずれるが自分は強い婆さん達を見て宮崎駿作品を思い出した。
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