「なぜ、鉄道の駅構内では歩行者は左側通行なのか」と聞かれて答えられる人は少ないのではないだろうか。 そもそも、鉄道の駅構内は左側通行なのかと驚く人もいるかもしれないが。この問題を解くには、「公道ではなぜ歩行者は右側通行なのか」を考えなければならない。 ニッセイ基礎研究所の中村亮一氏の「右側通行?左側通行?(1)-『車は左、人は右』と言われている歩行者の通行ルールは本当はどうなっているのか」というレポートによると、以前は、歩行者も自動車と同じく左側通行だったという。 歩行者が左側通行の理由については、江戸時代に、武士が左の腰に刀を差していたので、刀の鞘同士が触れ合うのを避けるためや、そもそも、心臓が左側にあると一般的に認識されているので、人間の意識の上で、左側が接触することを避ける本能があるからとしている。 暗黙のルールが正式なルールとなったのは1872年。英国から鉄道が導入され、英国の左側