2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに全面侵攻した日の衝撃は忘れられない。「まさか、本当にこんな愚かなことをするのか」という思いだった。それから2年間、今世紀最大の事件をどう報じるべきかと悩み、ひた走った。 主軸に据えたのは同僚たちも参加した長期連載「ウクライナと共に」である。ロシアのあまりに度を越した非道と残虐、それにあらがうウクライナ人の姿を目の当たりにし、とにもかくにも、ウクライナに寄り添う報道姿勢が必要だと考えた。 この戦争の本質に迫るため、ロシアとウクライナの歴史や国民性、プーチン露大統領の思考回路などにも踏み込んで多角的・重層的な報道を心がけた。このことが読み手の国際理解に役立ったとすれば幸いである。 連載タイトルには、この戦争を日本人に「わがこととして考えてほしい」との願いも込めた。 「ウクライナなんて国際支援がなければどうしようもない」「領土を譲って早く停戦すればいい