神経細胞を特殊な物質で培養して、原始的な「脳」を人工的に作ることにアメリカ・マサチューセッツ州のタフツ大学の研究チームがラットの実験で成功しました。脳を実験で作るのは、世界で初めての成功となります。 完成した脳はドーナッツ型をしており、おおまかな構造が脳と似ています。衝撃を与えると実際の脳と同じように反応し、化学物質と電気信号を発します。脳の働きを解明するのに役立つといいます。チームは、この成果を生かして人間の細胞を使った人工脳作りも進めています。 人間の大脳は、糸状の神経線維が集まった「白質」の表面を、神経細胞が集まった「灰白質」が覆う二重構造をしています。 タフツ大学のデビッド・カプラン教授らは、絹でできたスポンジ状の物質にラットの神経細胞を含ませて培養すると、神経細胞がこの物質を足場にして成長することを発見。足場をドーナッツの形状にして培養すると、ドーナッツ部は灰白質、中央部は白質に