高見順の「昭和文学盛衰史」 https://amzn.to/3D250hk を読んでいる。 キンドル unlimited https://tinyurl.com/u4note で何か文学系のおもしろい本がないかと探していてたまたま見つけたのだが、なかなか勉強になる。 「昭和文学盛衰史」といっても、大正の終わりから太平洋戦争が始まる頃までの昭和初期の「暗い時代」の話であり、その頃の世相を反映しての文学を志した作家や詩人たちの離合集散の歴史の思い出話でもあるので、聞いたこともない人物や雑誌の名前をたくさん並べた部分など、読み飛ばしたくなるようなところも多々ある。 けれども、当時の芸術と政治の関わり、戦前の左翼運動の実態、そして全体主義化する国家体制からの抑圧によって左翼的思想・行動を捨て転向していく人々の様子など、1960年代半ばに生まれたぼくには初めて知ることも多く、例えば雑多な記述のうちに