悩ましい「俺も我慢した、君も我慢しろ」論 いまでこそ、アベノミクスでは働き方改革とか地域経済の復興などなどいろんなスローガンが立ち上がっては迷走している印象ですけど、もっとも考えるべき大きいテーマ群は「右肩上がりの思想からの脱却」と「下り坂を見据えた秩序ある撤退戦」といったあたりじゃないかと思うんですよ。これから景気が良くなろうというところで社会に出たジジイと、そういうジジイが歳とって動けなくなったところで彼らの年金分も稼がなければならないいまの若者とでは、置かれている現実も社会の方向性もまったく違う。もちろん、戦後の高度成長を支えたのは、いまの高齢者が頑張って働いたからであることは間違いありません。でも、そのころ培われた経験に基づく日本の常識は、状況が変わってしまったこれからの日本で生きていく若者にマッチしなくなっていることに気づいてもらわないと困ります。いまどきの労働組合が、ともすれば