被災地に残るのか、残らないのか――。石川県が20日に発表した能登半島地震の復興計画案で、2011年の東日本大震災で支援活動をして、今回の計画案をまとめるのに携わった有識者に話を聞くと、背景には被災者が迫られた切実な現実がありました。【聞き手・萱原健一】 毎日新聞のインタビューに応じたのは、有識者による県の会議の委員で、岩手県花巻市を拠点に農水産物のネット通販を通して被災地を支援してきた食品関連サービス会社「雨風太陽」社長の高橋博之さんです。 インタビューは19、20日に実施しました。 ――馳浩知事は地震発生直後から「(被災者を)必ず能登に帰す」というメッセージを発信してきました。どう評価しますか。 ◆やむを得ず被災地を離れて金沢などに避難し、心は古里を思っていても、仕事や育児、教育などさまざまな事情で能登へ帰れない人たちがいます。 こうした人たちが「能登に帰す」という知事のメッセージを聞い