公開から2ヶ月以上も経って、とっくに終わっている劇場も多いけど、今更ながら『BALLAD 名もなき恋のうた』の感想。 正直言って期待はずれだった。原作をよく知っているがゆえに、原作と比較して観てしまったところもあるので、それはしょうがないのだが、それを差し引いて山崎監督のファンとして観ても、今回はちょっと外してしまった感が否めない。 原作とは違って、しんちゃんに代わる役どころとなっている、小学生の川上真一。真一は、いじめっ子から好きな女の子を守れない気弱な男の子として描かれていて、むしろ「のび太」に近い。彼は、川上の大クヌギに手を合わせて、「僕に勇気をください」と繰り返しつぶやく。これを見て、真一の成長譚ももう一つのテーマとして描かれるのだろうと思っていた。 ところが、実際に真一は戦国時代に行って、「成長」といえるほどの行動を起こしたのかというと、これが微妙。「又兵衛に大切な人と国を守る時