東日本大震災の経験を踏まえて、今年の夏から静岡県の駿河海岸で、全国で初めて、今ある堤防を大津波がきても壊れにくい「粘り強い構造」に補強する工事が始まります。津波防災にとって最も重要なことは素早い避難ですが、粘り強い堤防は、東日本大震災で堤防が簡単に壊れたことから考え出された新型の堤防で、住民の避難を助ける堤防だといいます。今晩は新型堤防が目指す津波防災について考えます。 今日の話しのポイントです。1つは、東日本大震災で堤防はどのように壊れ、大津波でも壊れにくい「粘り強い堤防」とはどのようなものなのか、2つ目は、その堤防は津波を防ぐだけでなく住民の避難を助けることを目指します。そして3つ目は、堤防などの施設で守るハード対策には限界があることを住民に説明するとともに、避難を助ける新たなハード対策の提言をすることが、国土交通省や土木関係者の役割ではないかということです。 《ポイント① 粘り強い堤