法務省は27日、東日本大震災で宮城、岩手両県の4市町で戸籍の正本が消失したことを受け、遠隔地の特定の法務局で市区町村の副本データをバックアップする新しい全国ネットワークシステムを来年度から構築する方針を決めた。 大災害に見舞われた際、自治体の戸籍データが完全に消失する事態を防ぐ狙いがある。同省は省内情報ネットワークの強化などとあわせ、29億円を来年度予算案の概算要求に盛り込む。 現在、出生や死亡を含む身分関係を公に証明する戸籍は、市区町村の窓口で受け付けてそれぞれの自治体で独自に管理されている。法務省・法務局と市区町村の間でネットはつながっておらず、市区町村は戸籍法に基づき、副本を磁気テープに記録して年1回、近くの法務局に送っている。 だが、今回の震災では庁舎が津波で壊滅的な被害を受けた宮城県南三陸町、同女川町、岩手県陸前高田市、同大槌町で、戸籍データが消失。このうち、南三陸町の副本