2012年に瀬戸口浩彰教授が確認したホシザキカンアオイ。種の保存法で採取などが禁止されているが、同じ場所を16年に訪れると1個体も残っていなかったという=京都大大学院地球環境学堂・同教授提供 近年の登山ブームの裏で、山中に自生する希少な植物が荒らされる被害が増えている。その背景に、スマートフォンによる気軽な撮影・投稿があるという。いったい何が起きているのか。 「ここ数年で希少植物目当ての登山者が多くなった。踏み荒らされてしまった惨状も見たことがある」。登山歴約30年という和歌山市の会社員男性(65)はため息をつく。月に3回ほど近畿地方を中心に山を歩き、自然を感じることが楽しみだ。約5年前からルートや写真を共有できる登山者向けのアプリも利用。だが、そこで気になったのが、希少植物の写真も多く掲載されていたことだった。