著: なつめ「老後はのんびり田舎で過ごしたい」 そんな想いを10代の頃から抱いていたが、老後まで待てなかった。 27歳の夏、わたしは猫と共に東京から富山県朝日町に移住した。 一番大切にしたいものは「穏やかな暮らし」だった東京で暮らしていた頃は、都心へのアクセスが便利な中野区のアパートに4年ほど住んでいた。 しかし休日には必ず山奥へひとりキャンプをしに行ったり、広大な芝生がある新宿御苑まで自転車を走らせて昼寝をしに行ったり、常に身体が広々とした自然を求めていた。 都心のワンルームのアパートに安くはない家賃を払いながら、休日には自然を求めて遠出をする。何かがおかしいと思った。 さらにコロナ禍で外出ができない日々が続いて、自宅でひとり内省する時間が増えた。 「世間一般的に言われる”幸せ”ではなく、自分が求める”幸せ”とはなんだろう」 そのとき「自然豊かな環境で猫とこころ穏やかに暮らしたい」という