大食いに青春を賭ける女子高生たちのスポ魂(?)漫画。 ふとしたことから、『食い道部』という部活動に勧誘されてしまった主人公・春風天子。一癖も二癖もある食い道部の面々。そして、大食い対決で闘う全国の大食い野郎(女も居るが)ども。 この漫画の白眉は主人公補正の在り様で、それはもちろんただ単純に大食いができる、というものではなく、本当に美味しそうに、心の底から「食」を楽しむ、その姿が……例えば周囲に花咲き乱れたり、涙を滲ませながら絶妙な表情で様々な料理を頬張ったりと、古くは『ミスター味っ子』などでお馴染みの、料理とそれを食べる人間に関する過剰なエフェクトが漫画的に良い意味で大袈裟であり、視覚的なダイナミズムがある。主人公がドカ喰いの達人という設定だけではなく、食を愛しているとでも言うべき表現的な捻りを入れている辺り、漫画の主題とキャラクターとの美しい融合が見える。 ざる蕎麦からカレーライス