県立歴史館(千曲市)は14日、室町幕府初代将軍の足利尊氏(1305〜58年)が、信濃国守護に小笠原政宗(長基)を任命した際の自筆文書を入手したと明らかにした。同館によると、現存する尊氏自筆の文書は少なく貴重。任命時期という「観応3(1352)年」の年号も読み取れたといい、「信濃の歴史にとっても、室町幕府史上でも重要な意義がある」としている。 同館は、この文書について「3月1日に記者会見する」として、詳細や入手の経緯を明らかにしていない。3月2、3日には特別公開を予定している。 小笠原氏は、甲斐国(現山梨県)の発祥で清和源氏の流れをくみ、源頼朝に仕えて御家人となった。政宗は、尊氏に従って功を上げ、一族で最初に室町幕府の信濃国守護に任命された貞宗の孫。 同館が入手した文書で政宗が守護に任命された時期として記された1352年は、尊氏が弟の直義と対立するなど政権の主導権争いをした「観応の擾乱(じょ