環境省松本自然環境事務所(松本市)は23日、現在携帯電話が通じない北アルプス上高地(同市安曇)明神―横尾地域を対象に、通信基地局設置の許可を検討する姿勢を初めて示した。松本市が同日、災害対応を理由に協力を求めたのに応じた。中部山岳国立公園である一帯の規制を守ることを前提に、同省と市、携帯電話会社の協議が始まる見通しになった。 対象地域は槍・穂高連峰に続く登山者や散策する人のルートが通り、大半は現状変更が原則認められない特別保護地区。市情報政策課によると、現在、高さ13メートル以下の建築物設置などが認められる場合がある第二種特別地域の河童橋付近に携帯大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の基地局があり、周辺のみ携帯が通じる。 市は土砂災害などが懸念される中、メールで利用者に緊急情報を届ける各社のサービスを上高地全域で活用するべきだと判断。明神以北を携帯電話の通信圏内にできないか