山梨県甲州市にある山の山頂付近で、敵の侵入を防ぐために作られたと見られる尾根を削った跡が見つかり、専門家は戦国時代の武将・武田氏ゆかりの山城の可能性があると指摘しています。 発見した内藤和久さんによりますと、東西南北にわたって尾根を削った跡が見つかり、大きいもので幅がおよそ3メートル、深さが2メートル50センチほどあって、中世につくられた「堀切(ほりきり)」と呼ばれる敵の侵入を防ぐ防御の跡と見られるということです。 また、山の頂上は平らになっていて、城の中心となる「主郭(しゅかく)」があったことがうかがえ、周囲が遠方まで見渡せるようになっています。 戦国時代の城に詳しい山梨県埋蔵文化財センターの元所長で、甲州市教育委員会の小野正文さんは「戦国時代に一帯を治めていた武田氏ゆかりの山城の可能性がある。歴史書には記述がないので歴史に埋もれた城ということができるのではないか」と話しています。