環境省は16日、新潟県佐渡市の自然界で生まれて38年ぶりに巣立ったトキの幼鳥の母鳥(3歳雌)が死骸で見つかったと発表した。 死因は不明だが、タヌキに襲われたような痕があるという。 同省佐渡自然保護官事務所によると、同市の住民が13日午前、山間部の水田にトキの羽根が多数落ちているのを発見。同省職員らが16日に現地調査し、羽根や骨、識別用の足環などを回収した。トキにはGPS発信器が付けられており、7月24日以降は記録が途絶えていた。 このトキは5歳雄とペアを組んで産卵し、5月5~11日に3羽を孵化(ふか)させた。同事務所の長田啓・首席自然保護官は「3羽は無事が確認されており、母親が死んだことによる影響はない。繁殖実績があり、来年も期待していただけに残念」と話した。