イタリアでモンティ政権の財政再建路線を続けるかどうかが争われた今回の議会選挙。 当初は、モンティ政権の路線を継続するとしていた中道左派が優勢とみられていましたが、ふたを開ければベルルスコーニ前首相の中道右派連合など緊縮策の見直しを掲げる勢力が支持を広げ、大接戦となりました。 上院では、いずれの政党も過半数の議席を得られず、政権が発足する見通しが立たなくなりました。 イタリア、そして落ち着きを見せていたヨーロッパの信用不安の行方はどうなるのでしょうか?ヨーロッパ総局の渡辺常唱記者が解説します。 モンティ政権の挫折 イタリアではおととし秋、国債の利回りが急上昇するなど信用不安が深刻化し、当時のベルルスコーニ首相が対応の遅れを厳しく批判され、辞任に追い込まれました。 これを受けて、首相に抜てきされたのが国際的に著名な経済学者で、EU=ヨーロッパ連合の閣僚に当たるヨーロッパ委員会の委員を1