【ロンドン=木村正人】欧州の債務危機が深刻化する中、欧州連合(EU)の権限強化に懐疑的な英国の下院で24日、EU脱退の国民投票を求める採決が行われる。与党・保守党の右派70人近くが賛成するとみられ、キャメロン首相は火消しに躍起だ。EUは26日の首脳会議で危機解消の包括策合意を目指すが、欧州統合の理想は色あせ、単一通貨ユーロやEUへの懐疑は欧州全体に広がりつつある。 EUに加盟する一方で自国通貨ポンドを維持する英国では主権をEUに譲り渡すことへの懐疑論が強い。 ギリシャの財政粉飾に端を発したユーロ危機を目の当たりにし、ユーロ導入の提唱者だった自由民主党党首のクレッグ副首相も「ユーロに入っていたら大変なことになっていた」と持論を封印。ヘイグ外相は「ユーロは出口のない建物が炎上している状態だ」とポンド維持を改めて強調した。 EU脱退を問う国民投票があれば賛成するとの世論が7月に49%に達し、反対