サメの種のおよそ3分の1が絶滅の危機に瀕している。にもかかわらず毎年、何数千万匹ものサメが、商業漁業が原因で死んでいる。(PHOTOGRAPH BY DAVID MAUPILE / LAIF / REDUX) 2019年、漁業が原因で死んだサメは少なくとも7900万匹に上った。その内、約2500万匹は絶滅が危惧されている種だった。漁業によって死ぬサメの数は、この10年間ほぼ横ばいで、むしろ増えてさえいる。 2024年1月11日付で学術誌「サイエンス」に掲載された論文によると、ヒレだけを切り落とし、あとは生きたまま海に捨てる「フィニング」という人間の行為で死ぬサメは、10年前に比べ減っている。フィニングは現在、海に面した国と地域の約7割で禁止されている。しかし、規制によってフィニングの件数が減っても、サメの命が救われているわけではないと、論文を書いた国際調査チームは訴える。 「世界的に見て、