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ブックマーク / www.shinchosha.co.jp (3)

  • 末っ子が「答え」を必要とするとき 柴田元幸|『フラニーとズーイ』J.D.サリンジャー、村上春樹 訳|新潮社

    1951年、サリンジャーは長篇『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を刊行した。 53年には短篇集『ナイン・ストーリーズ』を、61年には中篇集『フラニーとズーイ』を刊行した。 『ナイン・ストーリーズ』に収録された短篇の大半は、実は『キャッチャー』以前に雑誌掲載されているのだが、こうして出版順に並べてみるのは、ある点を考える上で都合がいい。すなわち、サリンジャーにおける、少女/若い女性の「成長」を考える上で。 『キャッチャー』では、10歳の無垢な妹フィービーが、インチキだらけの大人の世界に入っていこうとしている10代なかばの兄ホールデンを、(少なくともつかのま)癒す。 『ナイン・ストーリーズ』のなかの、「バナナフィッシュ日和」と並んでもっとも有名な短篇「エズメに──愛と悲惨をこめて」では、いい感じに自意識過剰な「十三歳くらいの」少女エズメが、20代なかばの駆け出し作家が戦争で被った心の傷を、(少な

    末っ子が「答え」を必要とするとき 柴田元幸|『フラニーとズーイ』J.D.サリンジャー、村上春樹 訳|新潮社
    ankoro
    ankoro 2020/09/10
  • 『ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者』 ウラジーミル・ナボコフ、若島正/訳、後藤篤/訳 | 新潮社

    書は全五巻の叢書「ナボコフ・コレクション」の最終巻である。このシリーズのブックデザインは秀逸であり、その美しさに各所で感嘆の声があがっている。『ロリータ 魅惑者』というタイトルでわかるように、代表作『ロリータ』と先行作品「魅惑者」が収録されていて、前者はナボコフ自身のロシア語版『ロリータ』の情報をもとに改稿が施されている。後者はロシア語からの翻訳である。 ウラジーミル・ナボコフ。二十世紀の文学的怪物の一人である。生年は1899年であるが、この年はほかの怪物たちが誕生した年でもあって、J・L・ボルヘス、E・ヘミングウェイ、E・ボウエンが同年に呱々の声をあげている。その偶然性を思う度に評者は微かに畏怖を覚える。 『ロリータ』が出版されたのは1955年、第二次大戦が終わって十年経ち、若者たちの文化が目立ちはじめた時期、ロックンロールの台頭がはじまった年である。 ナボコフはその頃は大学で教鞭をと

    『ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者』 ウラジーミル・ナボコフ、若島正/訳、後藤篤/訳 | 新潮社
    ankoro
    ankoro 2019/11/23
    ナボコフは/短い語句の達人で、『ロリータ』のどのページを見ても、鉱物のような輝きを見せるフレーズで溢れている。 「甘く熟して腐りかけのヨーロッパ」「ネオンサインが我が心臓より二倍ゆっくりと瞬いていた」
  • 立ち読み|波|新潮社

    重力の虹(上) トマス・ピンチョン、佐藤良明/訳 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、1944年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉は――。ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。 ISBN:978-4-10-537212-5 発売日:2014/09/30 重力の虹(下) トマス・ピンチョン、佐藤良明/訳 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、1944年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉は――。ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。 I

    立ち読み|波|新潮社
    ankoro
    ankoro 2014/09/30
    「永遠の旅じゃないですか、こういうデカイ文学は」
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