三回目か四回目にはなる「人情紙風船」をまた観たら、またもやジワーン、グワーンといった残響が体に留まり続けている。 以前に観た時も、最初に観た時もそうだった。なぜか後を引く作品である。 人情紙風船 中村翫右衛門 Amazon この映画は時代物というより、別の何かのように思える。 純文学の好きな人は「これは純文学だ」と言いそうだし、ミステリ的な要素もある(まるでポオのような盲点トリック)。 落語のダークな部分を煮詰めたような暗さもある。ユーモアもある。 www.youtube.com それらを総合してジャンルを考えるとノワールではないだろうか。自分としてはそれが一番ピッタリくる。 ウィキペディアにあるノワール映画の説明は次の通り。 「人間の悪意や差別、暴力などを描き出している。闇社会を題材にとった、あるいは犯罪者の視点から書かれたものが多い。」