日本将棋連盟(米長邦雄会長)からの独立を目指していた女流棋士会(会長=藤森奈津子女流三段)が分裂した。独立宣言から約4カ月半。スムーズに運んでいた自立への道が、分裂、残留という誰もが望まない結末を迎えてしまった。 昨年12月、女流棋士会は賛成多数で独立する方針を決め、連盟理事会も支援を約束した。しかし、1月30日、新法人設立準備委員会(委員長=中井広恵女流六段)が理事会に総額1億円の寄付金募集を報告してから明らかに連盟側の態度が急変した。準備委は「理事会の了承を得た」として2月1日から募集を始めたが、理事会は「報告を聞いただけ。了解はしていない」と強く反発した。 ●会長が自立勧め もともと女流棋士会に独立を勧めたのは米長会長だ。連盟は慢性的な財政赤字を抱えており、女流棋界の運営にかかる経費の削減がその主な理由だった。それがなぜ一転したのか。1億円という数字は破格の金額だったよう